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アニャンゴ : ウィキペディア日本語版
アニャンゴ

アニャンゴ(Anyango、本名:向山恵理子、1981年 - )は、東京都出身の女性ヴォーカリスト、東アフリカのルオ族の伝統楽器 "ニャティティ"(写真参照)の世界初の女性演奏家である。
"アニャンゴ" とは、ルオ族の女性の名前で、「午前中に生まれた女の子」という意味。
== 略歴==
*1981年、東京都品川区に生まれる。青山学院中等部・高等部を経て青山学院大学文学部卒業。高校時代より、歌手を目指し、スリーピースバンド(ボーカル、ギター、パーカッション)の "大華" のリーダー兼ヴォーカルとして音楽活動を開始。バンドは自主制作のCD1枚を発表し解散。
*2001年、アメリカにて音楽修業を目指し渡航したものの、9・11アメリカ同時多発テロ事件のその日に遭遇し、アメリカでの修業を断念し帰国する。日本にて偶然出会ったケニアの音楽に自分の音楽の方向性を見いだし、パーカッションの練習に明け暮れる。
*2004年、音楽修業のため周囲の反対を振り切ってケニアに渡る。歌い手と楽器の両立を模索している内にルオ族の民族楽器、ニャティティと運命的に出会う。
*2005年、ケニアの首都ナイロビでの修業の後、さらにニャティティの演奏を極めようとナイロビから車で十数時間の西ケニア奥地の村に赴く。当代随一のニャティティ名人に弟子入りを懇願するも、外国人であること、女性である事を理由に弟子入りを断られる。しかし、電気水道もない村での生活を続ける内に、アニャンゴの熱意が名人にも通じ弟子入りを許可される。約8ヶ月に渡る指導を受け、外国人として、女性として初めてのニャティティ演奏家として免許皆伝となった。同年12月、ケニアの国立劇場ともいえる "ボーマス・オブ・ケニア" にて、建国以来、初の外国人演奏家としてライブ演奏を行う。
*2007年、ニャティティを弾き、ルオ語で歌う日本人女性として、ケニアのTV、ラジオ、新聞等で大きく報道され、ケニアで広く名を知られるようになる。ケニア政府観光局より「日本ケニア文化親善大使」に任命される。3年連続で、アフリカ各国の首脳を前に国連の式典で演奏。

*2009年7月、Newsweek誌(日本語版)による「世界が尊敬する日本人100人」にも選ばれる。同年8月、自らのアフリカ体験を元にした『夢をつかむ法則』を角川学芸出版より出版、アマゾンノンフィクション部門で1位を記録。自己のプロダクション、レーベル "JOWImusic" を立ち上げるとともに、同年9月には満を期して初フルアルバム "Nyatiti Diva" をリリース。このアルバムは日本のワールドミュージック界では異例のヒット作品となり、タワーレコードワールドミュージックチャートでは、発売3日目にして第1位となった。
*2010年5月、セカンドアルバム "HORIZON" をリリース。同年8月、フジロック・フェスティバル’10に出演。同年12月、"HORIZON" が「CDジャーナル」(音楽出版社)2011年1月号において、「2010 CDJournal ベストディスク100」に決定。ワールドミュージック部門で4枚のうちの1枚に選ばれる。
*2011年、フランスにてライブ公演。7月、シングルCD「声をきかせて」をリリース。同日、2冊目の本となる『もっと、遠くへ』(学芸みらい社)発刊。9月、サードアルバム「Teïmolo(テイ・モロ)」をリリース。11月、テレビ朝日「徹子の部屋」出演。
*2012年、フランスにてライブ公演。8月、3冊目の本となる『アニャンゴの新夢をつかむ法則』(学芸みらい社)出版。10月、「縁結びの神様」として知られる出雲大社・神楽殿にてコンサートを開催。
*2013年、フランス、イタリア、ドイツ、ケニア、NYにてライブ公演。10月、TV東京「クロスロード」に出演。4枚目のソロアルバム「ALEGO~ニャティティの故郷~」をリリース。平成の大遷宮を終えた出雲大社・神楽殿にて2回目コンサートを開催。12月、4冊目の本となる『翼はニャティティ舞台は地球』(学芸みらい社)を出版、アマゾン売上ランキング1位を記録。
*2014年、フランス、アメリカ、ミャンマー、ケニア、ウガンダ等にてライブ公演。9月、5枚目のソロアルバム「Kilimanjaro」をリリース。
*2015年8月、戦後70年を記念し東京・広島・長崎で開催された「国連合唱団 平和と希望のコンサート」にゲスト出演。10月、6枚目のアルバムとなる『Savanna』をリリース。
== ニャティティ==

*ニャティティは、東アフリカ西部に住むルオ族の伝統楽器。ハープリラの原形とも言われている。弦は8本。本体はくり貫かれた円形状のいちじくの木で出来ており、ボディトップに牛の皮が張られている。かつて、その弦は雌牛のアキレス腱から作られていた。ルオ族ヴィクトリア湖周辺に居住し、漁業も営むようになったことから、次第にナイロン製の太い釣り糸にとって変った。
*アフリカにはハープ型弦楽器が数多くみられるが、ほとんどはハープとしての機能しか持たない。ルオ族のニャティティはその演奏方法から独特な進化を遂げた。ルオ族のニャティティは弦楽器だけでなく、打楽器としての役割も持つ。右足親指に付けるオドゥオングと呼ばれる鉄製のリング、右足首に付ける鈴状のガラがそれである。
*ニャティティは楽器を地面に横に寝かせ、オドゥオングでニャティティのネックを叩き、ビートを刻み、ガラの鈴の音を同時に鳴らす、という高い技巧が要求される。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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