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アピオール : ウィキペディア日本語版
アピオール

アピオール(Apiol)は、セロリパセリの種子、パセリの精油に含まれる有機化合物である。妊娠中絶および月経不順治療の目的で使用された。
1715年に、ライプツィヒの薬剤師ハインリッヒ・クリストフ・リンク(Heinrich Christoph Link)がパセリの精油の蒸気を還元して得られた緑色の結晶として発見した。1855年、JoretとHomolleは、アピオールは無月経の治療に効果があることを発見した。
医学的には、アピオールは精油または純粋物質として月経不順の治療に用いられる。刺激物であり、多量では吐き気を催すほか、肝臓や腎臓に害を及ぼす。
ヒポクラテスは、パセリは流産の原因になると記述している。この作用は、アピオールのせいである。
中世において、アピオールを含む植物は、妊娠を止めるために服用された。その利用はアメリカでも広まった。純粋な結晶アピオールの毒性については議論されているが、少量の摂取であれば、「比較的安全な中絶」を行うことができ、また、月経の周期を修復する。
現在では様々な中絶法が確立され、西洋ではアピオールが用いられることはないが、中東では現在も生産され、使用されている。アピオールという名前は、イノンドフェンネルの根に含まれる類似化合物ジラピオール(1-アリル-2,3-ジメトキシ-4,5-メチレンジオキシベンゼン)の名前にも用いられる。
妊婦が通常常識的な範囲でアピオールの多く含まれるパセリやセロリを摂取することは、医学的に問題ないとされている〔国立健康・栄養研究所 情報センター 健康食品情報研究室 パセリの項〕。パセリの製油としての半致死量は、ラット経口3,300 mg/kg、マウス経口1,520 mg/kgであり、傾眠、呼吸困難、尿量減少などの症状が見られる〔Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS)〕。人間ではパセリ200g相当由来の製油を摂取した場合は生命の危険があるとされる〔健康食品データベース 第一出版 Pharmacist's Letter/Prescriber's Letterエディターズ 編 (独)国立健康・栄養研究所 監訳 (2006298285) 日本皮膚科学会雑誌.2006;116(6):945〕。
== 出典 ==




抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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