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アルコール燃料(アルコールねんりょう)は、内燃機関などのエネルギー源として利用されるアルコールの総称。アルコール単独であるいは他の燃料と混合して使用される。最近の原油価格高騰および地球温暖化に対する関心の高まりを背景に、化石燃料を代替する燃料として注目が集まっている。特に、メタノール、エタノール、ブタノールおよびプロパノールについては、バイオマス(現生生物由来の資源)から合成が可能で、現在普及している内燃機関の燃料としてそのまま利用できることから注目度が高い。 アルコール燃料のうち、メタノールは、主として天然ガスから合成されており、原油価格の高騰を背景に、石油を補う代替自動車燃料としての利用が模索されている。一方、エタノールは、主としてバイオマスから製造されているため、温暖化ガスの排出につながらないことや再生可能資源(renewable resource)で永続的に利用可能であることを背景に注目され、近年急速に普及をみせている。 == 燃料としてのアルコール == エタノールやメタノールは可燃性の液体であり、そのまま燃やして熱源として利用できる。とくに高純度のエタノールは、古くからランプやコンロの燃料となっていた。エタノールなどの低分子アルコールは酸素含有率が高く、煤が出にくいという利点があることから、現在でもこのような形でアルコールが燃料として利用されることは珍しくない。なお、卓上コンロなどで利用されるアルコール固形燃料は、エタノールに酢酸カルシウムを混ぜる、またはステアリン酸を加えるなどの方法で液体のアルコールをゲル化させたもので、アルコールを直接燃やす方法の1つといえる。 アルコールは内燃機関の燃料としても利用される。20世紀初頭に石油から精製されるガソリンの供給が一般化するまではアルコールが内燃機関の主要な燃料であり、内燃機関の発明者であるニコラス・オットーもエタノールを燃料として利用していたとされる。また、1908年に発売され、自動車文明をもたらしたフォード・モデルTは、エタノールとガソリンのいずれも燃料として利用することができた。このような内燃機関の燃料としてのアルコール利用は、石油から生成されるガソリンが大量かつ安価に供給されるようになってから下火になったが、1970年代のオイルショック以降、石油とりわけガソリンの価格が高騰するとともに息を吹き返し、最近では地球温暖化への関心の高まりを背景に一段と注目されるようになっている。 以上のほか、燃料電池に水素を供給する手段としてアルコール(とくにメタノール)を用いることがあり、これもアルコールの燃料利用の一形態ということができる。 なお、純粋なエタノールを燃料として利用する場合には、飲料への転用を防ぐため、メタノールなどを添加した変性アルコールの形で利用されることが一般的である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「アルコール燃料」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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