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アルツハイマー病(アルツハイマーびょう、''Alzheimer's disease''、AD)は、認知機能低下、人格の変化を主な症状とする認知症の一種であり、認知症の60-70%を占める。 日本では、認知症のうちでも脳血管性認知症、レビー小体病と並んで最も多いタイプである。以前はアルツハイマー型認知症(アルツハイマーがたにんちしょう、''Dementia of Alzheimer's type''、DAT、''Alzheimer's dementia''、AD)とも呼ばれていた。 症状は進行する認知障害(記憶障害、見当識障害、学習障害、注意障害、視空間認知障害や問題解決能力の障害など)であり、生活に支障が出てくる。重症度が増し、高度になると摂食や着替え、意思疎通などもできなくなり最終的には寝たきりになる。 階段状に進行する(すなわち、ある時点を境にはっきりと症状が悪化する)脳血管性認知症と異なり、徐々に進行する点が特徴的。症状経過の途中で、被害妄想や幻覚(とくに幻視)が出現する場合もある。暴言・暴力・徘徊・不潔行為などの問題行動(いわゆるBPSD)が見られることもあり、介護上大きな困難を伴うため、医療機関受診の最大の契機となる。 現在のところ、進行を止めたり、回復する治療法は存在していない〔。運動プログラムは日常生活動作を維持し、アウトカムを改善するという利益がある。罹患した人は、徐々に介護支援が必要となり、それは介護者にとって社会的、精神的、肉体的、経済的なプレッシャーとなっている 全世界の患者数は210 - 350万人ほど(2010年)〔。大部分は65歳以上に発病するが、4-5%ほどは若年性アルツハイマー病 (Early-onset Alzheimer's disease) としてそれ以前に発病する。65歳以上人口の約6%が罹患しており〔、2010年では認知症によって48.6万人が死亡している。先進国において、ADは最も金銭的コストが高い疾患となっている。 == 歴史 == 「アルツハイマー病」の名は、最初の症例報告を行ったドイツの精神科医アロイス・アルツハイマーに由来している。アルツハイマーは、「レビー小体型認知症」にその名を残すフレデリック・レビーとともにミュンヘン大学で、ドイツ精神医学の大家エミール・クレペリンの指導のもと研究活動に従事していた。アルツハイマーは、1901年に嫉妬妄想などを主訴としてはじめてアルツハイマーの元を訪れた、世界で最初に確認された患者アウグステ・データー(女性) (Auguste Deter) に関する症例を、1906年にテュービンゲンのドイツ南西医学会で発表した。発症時アウグステ・データーは46歳であった。アウグステ・データーは56歳で死亡した。また、翌年『精神医学およ法精神医学に関する総合雑誌』に論文を発表した。当時は認知症のほとんどは梅毒によると考えられていたが、初老期に発症し、進行性に記憶障害と妄想を主徴とする認知症を呈し、剖検の結果病理学的に老人斑と神経原線維変化を認めた病気をアルツハイマー病 (AD) として分離した。その後、この症例はクレペリンの著述になる精神医学の教科書で大きく取り上げられ、「アルツハイマー病」として広く知られるようになった。最初の症例が40代後半 - 50代前半と若年発症であったことから(アルツハイマーによる初診時51歳)、アルツハイマー病は初老期の認知症として、よくある老年期 (senile) 認知症とは区別されていたが、1960年代に盛んに行われた臨床病理学的研究から、同一のものであるとの結論に至った。アウグステ・データーは2012年にプレセニリン1(PSEN1、γセクレターゼ)変異の保因者であったことが判明した〔Lancet Neurol. 2013 12 129-30 PMID 23246540〕。文部科学省科学技術政策研究所によれば、2030年までにアルツハイマー病の進行を阻止する技術が開発されるとしている〔「2025年に目指すべき社会の姿-『科学技術の俯瞰的予測調査』に基づく検討-」(2007年3月、科学技術政策研究所) 〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「アルツハイマー型認知症」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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