|
アレクサンドル・ブロークの詩による7つの歌曲(Семь стихотворений Александр Блока)作品127は、ドミトリー・ショスタコーヴィチが作曲した歌曲集。ロシアの詩人、アレクサンドル・ブロークの詩からとられている。 == 概要 == ショスタコーヴィチはこの作品を最初、ソプラノ歌手ガリーナ・ヴィシネフスカヤとその夫のチェロ奏者ムスティスラフ・ロストロポーヴィチのために書こうとした。1966年5月の深刻な心臓発作から回復する中で作品を着手し、翌1967年2月3日に完成した。同年10月28日にモスクワ音楽院小ホールで行なわれ、ヴィシネフスカヤのソプラノ、ダヴィッド・オイストラフのヴァイオリン、ロストロポーヴィチのチェロ、スヴャトスラフ・リヒテルのピアノで行なわれた。なお、ショスタコーヴィチは自らピアノ・パートを弾きたがったが、病気のために叶わなかった。また、ミェチスワフ・ヴァインベルクも参加していたという。作品はヴィシネフスカヤに献呈されている。 アレクサンドル・ブロークはロシア象徴主義の代表的な詩人であるが、ショスタコーヴィチが生涯を通じて愛読した詩人の一人である。この作品の原題は「ソプラノ、ヴァイオリン、チェロ、ピアノのための声楽・器楽組曲」(Вокально-инстрментальная сюита)という副題がついている。ショスタコーヴィチが歌曲集に組曲と名付けたのはこの作品が初めてである。以後「マリーナ・ツヴェタエワの詩による6つの歌曲」作品143や「ミケランジェロの詩による組曲」作品145にも同様の命名がなされており、晩年のショスタコーヴィチの歌曲を特徴づけている。また、この作品は同時期の交響曲第13番、第14番、作品140以降の歌曲とは異なり、伴奏に室内楽編成が用いられていることも注目される。 編成は珍しくピアノ三重奏であるが、ピアノ三重奏による伴奏とは言いながらも、伝統的なピアノ三重奏曲とは全く異なり、最初の3曲の歌は各楽器の独奏(1.チェロ、2.ピアノ、3.ヴァイオリン)、次の3曲は二重奏(4.ピアノと一貫して重音奏法のチェロ、5.ピアノとヴァイオリン、6.ヴァイオリンとチェロ)、そして最後の7番目の歌だけが三重奏による伴奏となっている。 ヴィシネフスカヤはリハーサルに関して、「ショスタコーヴィチの前では、誰もが怯えてしまったのである。ショスタコーヴィチの「A.ブローグによる7つの歌曲」を彼のために演奏したとき、ヴァイオリンを伴奏した偉大な芸術家ダヴィッド・オイストラフの手は神経過敏から震えていた。」と回想している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「アレクサンドル・ブロークの詩による7つの歌曲」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|