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アンジオテンシン(angiotensin)とは、ポリペプチドの1種で、血圧上昇(昇圧)作用を持つ生理活性物質である。アンギオテンシンとも呼ばれる(厚生労働省のウェブサイトでは両者の混用〔医薬品・医療用具等安全性情報168号 〕〔医薬品等安全性情報No.157 〕がみられる)。 == 概説 == アンジオテンシンにはI~IVの4種が存在し、これらのうち、アンジオテンシンII〜IVは心臓の収縮力を高め、細動脈を収縮させることで血圧を上昇させる。なお、アンジオテンシンIには血圧を上昇させる効果は無い。 アンジオテンシンの原料となるアンジオテンシノゲン(angiotensinogen)は肝臓や肥大化した脂肪細胞から産生・分泌される〔、星薬科大学オープンリサーチセンター 鎌田勝雄〕。 このアンジオテンシノゲンは、腎臓の傍糸球体細胞から分泌されるタンパク質分解酵素であるレニンの作用によって、アミノ酸10残基から成るアンジオテンシンI が作り出される。その後、これがアンジオテンシン変換酵素(ACE)、キマーゼ、カテプシンGの働きによってC末端の2残基が切り離され、アンジオテンシンII に変換される。アンジオテンシンIIはACE2により、血管拡張作用と抗増殖作用を有するヘプタペプチドであるアンジオテンシン-(1-7)へと変換される。 * アンジオテンシノゲン:Asp - Arg - Val - Tyr - Ile - His - Pro - Phe - His - Leu - Val - Ile -...(453アミノ酸) * アンジオテンシンI: Asp - Arg - Vla - Tyr - Ile - His - Pro - Phe - His - Leu - OH * アンジオテンシンII: Asp- Arg - Val - Tyr - Ile - His - Pro - Phe - OH * アンジオテンシンIII: Arg - Val - Tyr - Ile - His - Pro - Phe - OH * アンジオテンシンIV: Val - Tyr - Ile - His - Pro - Phe - OH アンジオテンシンI は血圧上昇作用を有さず、アンジオテンシンII が最も強い活性を持つ。(アンジオテンシンIII は II の4割程度の活性で、IV は更に低い)。また、アンジオテンシンII は副腎に作用して、鉱質コルチコイドで血液におけるナトリウムとカリウムのバランスを制御するアルドステロンを分泌させる。また、脳下垂体に作用し利尿を抑えるホルモンであるバソプレッシン(ADH)が分泌される。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「アンジオテンシン」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Angiotensin 」があります。 スポンサード リンク
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