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アンテラキサンチン
アンテラキサンチン(Antheraxanthin)は、光合成を行う多くの生物で見られる明るい黄色の補助色素である。ギリシア語でánthosは「花」、xanthosは「黄色」を意味する。キサントフィルサイクルの色素であり、油可溶アルコールでカロテノイドのキサントフィルサブグループに分類される。アンテラキサンチンは、緑藻、紅藻、ユーグレナ藻、植物による光合成の光防護に関わっており、またその生成物でもある〔Duan S, and Bianchi T, 2006. Seasonal changes in the abundance and composition of plant pigments in particulate organic carbon in the lower Mississippi and Pearl Rivers. Estuaries and Coasts 29, 427-442〕〔Sandman, G. 2009. Evolution of carotene desaturation: the complication of a simple pathway. Archives of Biochemistry and Biophysics 483, 169–174〕。 ==キサントフィルサイクル== アンテラキサンチンは、植物等の大部分の光合成真核生物や一部の細菌で、キサントフィルサイクルの中間体分子である。キサントフィルサイクルでは、特定のカロテノイド色素が酵素反応により光防護性の生体色素に変換される〔Yamamoto HY, 1979. Biochemistry of the violaxanthin cycle in higher plants. ''Pure Applied Chemistry'' 51, 639–648〕。 植物は、橙色のビオラキサンチンをアンテラキサンチン、そして明るい黄色の色素ゼアキサンチンに変換することで、非光化学的消光能を向上させ、過剰な熱を消失させることができる〔Adir N, Zer H, Shochat S, & Ohad I. 2003. Photoinhibition—a historical perspective. ''Photosynthesis Research'' 76, 343–370〕。キサントフィルサイクルの色素の合計量は、"VAZ"と呼ばれることがある〔Krause GH & Weis E, 1991. Chlorophyll fluorescence and photosynthesis: the basics. ''Annual Review of Plant Physiology and Plant Molecular Biology'' 42, 313–349〕。 "VAZ"は、このサイクルの主な色素を光防護能が低い方から順に並べたものである。アンテラキサンチンは真ん中の"A"に相当し、"V"はビオラキサンチン、"Z"はゼアキサンチンである〔Kováč D, et al 2013. Response of green reflectance continuum removal index to the xanthophyll de-epoxidation cycle in Norway spruce needles. ''Journal of Experimental Botany'' 64, 1817-1827〕。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「アンテラキサンチン」の詳細全文を読む
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