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アンボワーズ城 : ウィキペディア日本語版
アンボワーズ城[あんぼわーずじょう]

アンボワーズ城(Château d'Amboise)は、フランスロワール渓谷アンドル=エ=ロワール県アンボワーズにある城。シャルル7世ルイ11世シャルル8世フランソワ1世ヴァロワ朝の国王が過ごした。フランソワ1世がレオナルド・ダ・ヴィンチを呼び寄せたクロ・リュセはすぐ近くにある。
世界遺産「シュリー=シュル=ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷」に含まれる。

== 歴史 ==
アンボワーズ城はロワール川を見渡すに建てられ、重要な浅瀬を統制した。この場所にはガロ・ローマンの時代から砦が築かれていたという。この役割は中世には橋に取って代わられた。11世紀に城が築かれた際には、悪名高いアンジュー伯フルク3世(en)が要塞を石で再建した。
城は、時と共に拡張と改修を重ねていった。1431年、当時の城主ルイ・ダンボワーズ(fr)が王太子ルイ(後のルイ11世)に対する陰謀の容疑で有罪判決を受けて処刑されると、1434年9月4日シャルル7世が城を差し押さえた。
いったん王家の手に渡ると、アンボワーズは歴代フランス王に愛されるようになった。シャルルは城の大改修を思い立ち、まず1492年にフレンチ・ゴシック後期の初めのフランボワイアン様式で、次いで1495年、2人のイタリア人建築家、ドメニコ・ダ・コルトナとフラ・ジョコンドを雇い入れた。彼らはメイソン(中世の熟練石工組合員)であり、フランス建築では最初のルネサンスの装飾モチーフを、アンボワーズに取り入れた。フランス人建築家3人の名前(コリン・ビアール、ギョーム・セノール、ルイ・アルマンガー)が記録に残されている。
アンボワーズ城の庭には、フランスで初めてイタリア風レイアウトが採用された。これがフランス式庭園(幾何学的構成の庭園)の始まりである。シャルル8世シャルル8世1498年、低い戸口にうっかり頭をぶつけ、それが元でこの城で亡くなった。〕の時代、イタリア人聖職者パセロ・ダ・メルゴグリアーノが庭の設計をしたことが記録されている。シャルルは上のテラスを広げて庭園を大きくし、格子とあずまやで囲んだ。ルイ12世はその周りにギャラリーを設けた。アンドルーエ・ド・サーソは、1576年出版の自著「フランスで最も優れた建築(Les plus excellens bastimens de France)」でギャラリーに触れている。20世紀になってから再現されたパルテア(装飾花壇)は、四角い芝生の周りに砂利と成形された立ち木が配置されたものである。
フランソワ1世は母ルイーズ・ド・サヴォワの城アンボワーズで育っており、彼が即位して数年の間、アンボワーズ城は栄光の頂点にあった。
1515年12月、王の客としてレオナルド・ダ・ヴィンチがアンボワーズ城に招かれ、近くのクロ・リュッセで生活していた。城とクロ・リュッセは地下道でつながっている。ダ・ヴィンチが埋葬されたサン・ユベール教会堂は城に隣接しており、1491年から1496年の間に建てられた。〔記録によれば、レオナルド・ダ・ヴィンチが埋葬された教会は、アンボワーズ城の中にあるサン・フロランタン教会堂であるという。ナポレオンの時代、教会は壊滅的な状態にあった。フランス革命期に荒廃したサン・フロランタンを、ナポレオンが委託した技術者は保存の価値なしと判断して解体、石造部分は城の補修に使用された。約60年後にサン・フロランタンの跡地が発掘されると、骸骨1体と、ダ・ヴィンチの名の一部が刻まれた石が見つかった。これが現在サン・ユベールの教会堂に保存されている骸骨である。〕
アンリ2世と王妃カトリーヌ・ド・メディシスは自分たちの子供と一緒に、後のフランソワ2世の婚約者でスコットランド女王のメアリー・ステュアートをアンボワーズ城で育てた。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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