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アンモライト : ウィキペディア日本語版
アンモライト

アンモライト (ammolite) はオパール状の遊色を持った生物起源の宝石で、アメリカ合衆国カナダロッキー山脈の東斜面にのみ産出する。アンモナイトの化石からなり、主として霰石真珠を形成するものと同じ)からなる。琥珀や真珠などと同じく生物活動によって作り出された宝石の一つである。「オパール化したアンモナイト」と表現される場合があるが、オパールは二酸化ケイ素を主成分とする鉱物の名前であり、この表現は正しくない。1981年世界宝石連盟はアンモライトを公式に宝石として認定した。2004年にはアルバータ州の州の宝石に定められた。
また、アンモライトはアーポアク(''aapoak''、カイナー族の言葉で「小さいありふれた石」)、宝石アンモナイトカルセンティン、およびコーライトとしても知られている。後者は最初で最大のアンモライト生産会社である、アルバータを拠点とする採鉱会社コーライト社による商標である。
== 特性 ==
アンモライトの化学組成は多様で、霰石以外にも方解石シリカ黄鉄鉱やその他の鉱物が含まれる。殻そのものは多くの微量元素アルミニウムホウ素クロムマグネシウムマンガンストロンチウムチタンバナジウムを含む。結晶学的には斜方晶系である。モース硬度は 4.5-5.5 で、宝石としては非常に軟らかく、比重は 2.60-2.85 である。カナダの試料での屈折率(ナトリウム光、589.3 nm で測定)は、α1.522; β1.672-1.673; γ1.676-1.679; 二軸性負である。紫外線の照射により、黄色の蛍光を放つ。
良質の標本では蛋白石のような虹色、特に緑色や赤色が見られるが、厳密には全てのスペクトル色が観察される。この虹色は霰石の微細構造に由来する。屈折で光を放つ他の多くの宝石と異なり、アンモライトの虹色は光の干渉によるもので、霰石を形成する薄い板状の積み重なった層からはね返る光である。層厚が厚ければより赤色、緑色となり、層厚が薄ければより青色、藍色となる。赤色と緑色が最もよく見られる色で、これは青色を放つ薄い層が脆い為である。新しく切り出された面でも、これらの色はさほど劇的なものではない。宝石としての価値を高めるには、研磨などの処理が必要となる。
アンモライトそのものは非常に薄く、約0.5-0.8mmである。アンモライトは通常、灰色から茶色の頁岩チョーク質の粘土石灰岩などの母岩と共に産出する。凍結破砕作用はよく見られる。風雨に晒されたり、堆積物による圧密を受けることにより、ひびが入り、剥片化する。また、日照の長期被曝は白色化につながる。このひび割れは、「竜の皮」や「ステンドグラス」などと表現される市松模様の外観を呈する。より深部の鉱床から採掘されるアンモライトは完全に滑らかか、漣痕のような表面を持ち得る。 時折、保存状態良好の完全なアンモナイト殻が発見される。螺旋状の線が形取り、全体的な形はオウムガイに似ている。これらの殻は直径90cmに達し得るが、通常、虹色アンモナイト(黄鉄鉱化したものと比較して)は遥かに小さい。 ほとんどの化石化した殻では、それらの霰石が方解石や黄鉄鉱に置換されてしまうため、アンモライトをより貴重なものにしている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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