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アーチ式コンクリートダム (Concrete Arch Dam, ''CAD'') は、主にコンクリートを主要材料として使用し、アーチ止水壁にかかる水圧を両側面の岩盤で支える型式のダム。上空から眺めると河川を横断する堤体が弧を描くように見える。略してアーチダムともいう。 == 特徴 == アーチダムには様々な亜型があるが、最も多いのは下流側に湾曲したドーム型アーチ式コンクリートダムである。形状が複雑で設計が難しいが、最も少ないコンクリートの量で建設でき、これが現在まで続く主流のアーチ式コンクリートダムの基本形となっている。このほかにも放物線アーチダムや湾曲していない円筒型アーチダムなどがある。派生した型式としてカナダのダニエルジョンソンダムや日本の豊稔池ダムなどで採用された複数のアーチが連なるマルチプルアーチダムや、ロシアのサヤノシュシェンスカヤダム、アメリカのフーバーダムなどで採用された重力式コンクリートダムの特徴を併せ持った重力式アーチダムがある。 アーチダムはコンクリートの使用量が少なく済み、重力式コンクリートダムに比べて工費圧縮が可能で経済性に優れる。その反面、重力ダムのようにダム自体の重量を利用して貯水池の水圧によるダムを転倒させる力に対抗することが難しい。このためダムに掛かる水圧をアーチで湾曲させることで両側山腹の岩盤に圧力を分散させて水圧に耐える構造となっている。従ってアーチダムを建設するには莫大な水圧に耐えられるだけの強固な両側基礎岩盤の存在が絶対条件であり、建設可能な地点は限定される。フランスのマルパッセダム決壊事故では、基礎岩盤の強度が不十分であったことで試験的に貯水する試験湛水の最中にダムが水圧に耐えられず、岩盤もろともダム堤体が崩壊し大惨事を招いた。マルパッセダム事故はアーチダム施工に大きな影響を与え、日本でも黒部ダムにおいてダムを補強するため両側にウイングを設けて水圧に耐えられるようにした。 洪水吐き(こうずいばき)については、ほとんどのアーチダムに常用洪水吐き(非洪水時・小規模の洪水時の放流設備)が備えられており、ダム堤体中央部に単独または複数のゲートを設置し放流を行う。スキージャンプ式の洪水吐きをダム両側に備えるものや、ロックフィルダムのように山腹に洪水吐きを設けダム自体は洪水吐きを設けない非越流型もある。非常用洪水吐きについては自然越流・ゲート放流を含め中央越流型洪水吐きが多く採用されている。また、多くのアーチ式コンクリートダム堤体下流側の表面には巡視路が設けられている。これはキャットウォークと呼ばれる。ちなみにロックフィルダムにおける巡視路は「犬走り」と呼ばれる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「アーチ式コンクリートダム」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Arch dam 」があります。 スポンサード リンク
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