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イギリスの欧州連合離脱是非を問う国民投票()は、イギリスにおいて2016年6月23日に実施が予定されている、同国が欧州連合(EU)を離脱すべきかどうかを決めるための国民投票である〔EU referendum: What is it and when is it? M. Wilkinson, The Daily Telegraph, 22 Feb 2016 〕。英国の有権者だけでなくジブラルタルの有権者およそ23000人にも投票権がある〔。 ==背景== ===EUのスープラナショナリズムと民主主義の否定=== EUはスープラナショナリズムを基本としているが、それが成り立つにはEU参加国が条約に署名することで加盟国の主権を超国家権力主体へ譲渡する必要がある。だが特定の分野、例えば防衛、徴税や通貨などの主権は超国家権力主体へ譲渡すべきではない〔Arguments against European Union Civitas, EU Factsheets 2014〕。 もしそれらの主権を譲渡すればその国家は弱体化することになる〔 〔例えば、主権国家が自衛権を放棄し防衛のための軍隊を捨てればどのようなことが起きるだろうか。〕。リーマン・ショック以降のユーロ圏の状況からもそれは明らかである。ユーロ加盟国は金融政策の主権をフランクフルトにある欧州中央銀行(ECB)に譲渡しているため、独自の金融政策を採れない。 自国通貨を捨て金融政策を放棄した南欧のユーロ加盟国は高い失業率に苦しんでいる。 通貨発行権限も失っているので自国の政府債務もコントロールできず、他国からの金銭支援を余儀なくされた。 ドイツはじめEUは、PIIGS諸国への金銭支援と引きかえに緊縮財政政策や構造改革を施行するよう要求した。ここまではスープラナショナリズムの論理的帰結である。 (このようなことは財政連邦主義を採るアメリカ合衆国ではありえないことである。米国では、経済が低迷している州は連邦政府からの自動的な経済援助を受ける仕組みになっている。) スープラナショナリズムのみならず、EUは民主主義も否定する性格を有している〔。EU側の命令に対しギリシャは2015年7月に国民投票を行い、緊縮財政に反対する明確な意思表示をした。 だがEUはギリシャの民意を無視した。EU側は、ギリシャに緊縮財政だけでなく500億ユーロ相当のギリシャ国有資産を売却民営化するよう要求した。 このようにEUが非民主主義な組織であることは広く知られている〔。 EUの政策の多くは選挙と無関係な人々で構成される欧州委員会(EC)で形作られるためである〔。 また、欧州議会(EP)はEUの意思決定にほとんど影響を及ぼせない。よってギリシャ制裁に抗議した人々は欧州委員会やECBに直接的・間接的影響力を行使できないのである〔Europe is becoming an undemocratic continent where force matters more than law P. Mason, The Guardian, 18 Oct 2015 〕。 欧州委員会の副委員長は「我々には選挙に依って政策を変えることは無い」とまで発言している〔Enlightened. Elitist. Undemocratic. D.A. Bell, The Nation, 27 May 2015 〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「イギリスの欧州連合離脱是非を問う国民投票」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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