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イスラム経済あるいはイスラム経済学(Islamic economics)とはイスラム研究のうち、シャリーア(イスラム法)で禁じられているリバー(利潤)の追求を目的としないイスラム銀行をはじめ、経典や伝統に基づくイスラム世界固有の経済秩序を究明する学問を指す。本分野は1940年代末に端を発し、1960年代半ば以降隆盛を見た〔"The economic system in contemporary Islamic thought: Interpretation and assessment" , by Timur Kuran, International Journal of Middle East Studies, 18, 1986, p.135-164〕のみならず、銀行制度については1970年代に発展した〔Islamic Economics and the Islamic Subeconomy by Timur Kuran, ''Journal of Economic Perspectives'', 1985〕。イスラム経済の中核を成す特色は、コーランやスンナ、そして財政政策の基礎とも言うべきザカート税に由来する「行動規範」とされる〔。このため富の公正な分配や社会的弱者の救済などに対する国家の役割を重視する立場から、イスラム経済を社会主義や資本主義でもない「第三の道」と捉えるのが一般的である〔Islam and Economic Justice: A 'Third Way' Between Capitalism and Socialism? 〕〔 How Do We Know Islam Will Solve the Problems of Poverty and Inequality? 〕。 == 歴史 == イスラムの伝統的な経済概念は以下の要素から構成される。 *ザカート(喜捨、zakat) - 収穫物など特定の商品に対する課税を指し、貧困層への援助をはじめ使途を限定した支出に用いられる。 *ガラル(Gharar) - 契約の際如何なる不確実性をも禁じることで、保険のみならず金銭の貸借にも適用される。 *リバー(Riba) - 高利貸しを意味する言葉だが、現代のイスラム経済学者の間では寧ろ利潤一般を指すことが多い〔Roy, ''The Failure of Political Islam'' Harvard University Press, 1994, p.132〕。 これらはイスラム法における他の概念と同様、ムハンマドの言行や逸話など〔の集大成と位置づけられるが、慣習やイスラム法学者の総意に基づくものもある〔Schirazi, Asghar, ''Constitution of Iran,'' (1997), p.170〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「イスラム経済」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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