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イスラームとネコ
ネコはイスラム教において敬愛されている動物である〔〔堀内勝「猫」『岩波イスラーム辞典』(岩波書店, 2002年2月)、732頁〕。 預言者ムハンマド・イブン=アブドゥッラーフに愛されていたということに加えてその清潔さから、ネコはムスリムにとっての「真のペット」とみなされている〔。
== 敬愛の起源 == ネコは古代オリエントの時代から近東で尊ばれてきた。これは大いに修正された形式ではあるものの、イスラム教により受け入れられてきた伝統である。ネコは七つの魂を持つと信じられているため、アラビア語には多くのネコの異名がある〔マレク・シェベル『イスラーム・シンボル事典』(前田耕作監修, 甲子雅代監訳, 明石書店, 2014年10月)、69頁〕。イスラム教の聖典であるコーラン(クルアーン)にネコは現れないが〔岡田恵美子、北原圭一、鈴木珠里編著『イランを知るための65章』(エリア・スタディーズ, 明石書店, 2004年9月)、178頁〕、預言者ムハンマドやアブー・フライラにまつわる猫好きの伝承がスンナとなったことが、ネコがイスラーム世界で大事に扱われるようになった一因だと考えられている〔。 預言者ムハンマドは「ネコへの愛は信仰の一側面である」と言ったと記録されている。また、他のハディースによると、彼はネコを迫害することや殺すことを禁じていたと言われている。彼は自分の外套の上でネコが出産することを許したり、可愛がっている雌のネコのムエザが彼の礼拝服の上で寝ていたときに、ムエザを起こさないように服の袖を切り落としたと伝えられている〔。このことは、イスラム教において主となる慈悲心という観念に適合している。 ムハンマドのサハーバの一人であり、「子猫の父」を意味する名前を持つアブー・フライラは、ネコへの愛情の深さで知られている〔〔。アブー・フライラが主張したところによると、ある女性が雌の子猫に水を与えず餓死させたので地獄に落ちた、とムハンマドが宣言するのを聞いたとのことである。しかしこのことにはムハンマドの寡婦であるアーイシャ・ビント・アブー・バクルが異議を唱えている。伝説によれば、アブー・フライラのネコはムハンマドを蛇から救ったようである〔。それに感謝した彼はそのネコの背中と額を撫で、そのことにより全てのネコに立ち直り反射を授けたと言われている。額に縞のあるネコがいるが、それはムハンマドの指が触れた印であると信じられている。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「イスラームとネコ」の詳細全文を読む
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