|
イタリック体(イタリックたい、英: italic type)とはアルファベットの書体の一つである。特に小文字において、筆記体(cursive)に似た装飾が特徴である。ほとんどの場合上部が右に傾いているので、しばしば斜体と混同ないし同一視される。(実際は両者は異なる概念。#字形を参照。) 元々は15世紀のイタリア・ヴェネツィアで聖書の紙面スペースを節約するために考案されたのが「イタリック」の由来である。したがって、当初は手書き(筆記体)の本文用書体であった。16世紀に金属活字となって普及したが、17世紀以降は本文はもっぱら立体(正立した書体)を用いることが一般的になり、現在では立体などと共にフォントの属性を成し、文章の中で語を強調したり周囲と区別したりするなどの補助的な用途に用いられることが多い。 == 字形 == 下記の上段に立体、下段にイタリック体を示す(文意はパングラム)。 比較のため、立体を傾けただけの斜体(「オブリーク体」と呼ばれることが多い)で同じ文を示す。 イタリック体の小文字の形は、ストロークの端が次の文字に続くような丸みを帯びている。書体によって多少の差異が見られるが、多くの書体では右図に具体的に示したように、次のような特徴をもつ。 * a の上部の弧がない。 * f がディセンダ(ベースラインより下に伸びる部分)をもつ。 * g の下部の丸みがつながらない。 * w や v の下部が丸みをもつ。 筆記体から派生しているのでストロークの終わりのセリフを欠くことが多々あり、セリフをもつ場合も立体のように左右2方向に広がるものではなく、片側だけにセリフを形成する場合が見られるのも特徴である。 上記のような特徴を立体にもたせて立体イタリック(upright italic)と呼ばれる書体を作ることもできる。イタリック体と斜体は一般的には同一視されることもあるものの、字形を考える上ではまったく異なる概念であると考えたほうがよい。 セリフをもたないサンセリフ書体には、上記のような特徴をもたないものも多く、そのような場合は単に斜体にしたフォントをイタリック体とすることがある〔「欧文書体の基礎知識 」『和文フォント大図鑑』、桜花デザイン〕。それらでは、イタリック体と斜体との見た目上の区別は失われる。ギル・サンなど、サンセリフであっても字形の異なるイタリック体を別途用意している書体もある。 また、大文字については、イタリック体と(ローマン体の)斜体に顕著な差はない。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「イタリック体」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|