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本項ではイディッシュ語の文法を概説する。イディッシュ語の文法はドイツ語の文法と類似点が多いが、スラヴ語やヘブライ語の影響も受けている。 ==名詞== イディッシュ語の名詞は男性(''zokher'')、女性(''nekeyve'')、中性(''neytral'')の3つの性に区別される。一般的に、どの名詞がどの性に区別されるかは個々に覚える必要があるが、ある程度の規則もある。例えば、人間の男性や動物の雄を表す名詞は男性名詞で、人間の女性や動物の雌を表す名詞は女性名詞である。また、語末が強勢を伴わない曖昧母音のシュワーであるものの多くや、抽象概念を表す名詞で、語尾に ''-ung'' や ''-hayt'' などの接尾辞があるものは女性名詞である。縮小辞 ''-l'' が接尾したものは中性名詞である。借用語は、語末が強勢を伴わない曖昧母音のシュワーであるもの以外は通常男性名詞である。 名詞の形態は通常、格により変化しないが、いくつか例外的に変化するものもある。例えば、続柄を表すいくつかの名詞(''tate'' 「お父さん(男性名詞)」、''mame'' 「お母さん(女性名詞)」)や、''harts'' 「心臓(中性名詞)」など。これらの内、男性名詞は単数形の与格と対格で語尾に ''-n'' が付き、女性名詞と中性名詞は与格の単数形のみ、語尾に ''-n'' が付く。 所有格はドイツ語と違い、属格で表すことはない。人が所有者である場合は、英語に似て、接尾辞 ס ''-s'' で表され、それ以外は前置詞 פון ''fun'' 「~の」(ドイツ語の ''von'' に相当)で表される。 複数形は規則変化では、語末が強勢のない母音や ''r'', ''m'', ''n'' であるものには ''-s'' が付き、それ以外では ''-n'' が付く。しかし、不規則な形態の複数形を有する名詞も数が多い。ドイツ語のウムラウトが付いた複数形に相当するように母音が変化するものや、さらにそれに語尾 ''-es'', ''-er'' がついた形、またヘブライ語に由来する名詞で、母音が変化すると伴に語尾に ''-im'' が付くものなどがある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「イディッシュ語の文法」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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