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イバード派[いばーどは]
イバード派(アラビア語 : الاباضية al-Ibādīya)は、イスラム教の宗派のひとつ。初期に多数派(のちのスンナ派とシーア派)から分派して成立したハワーリジュ派の流れを汲み、現在は主にオマーンに多い。イバード派の名は、最初の指導者とされる人物の名に由来している。 == 教義 ==
イバード派はハワーリジュ派の系統に属するが、ハワーリジュ派の特徴とされる他宗派に対する排斥的な態度はとらず、他宗派に寛容な穏健派に位置付けられる。法学的にはマーリク学派、神学的にはムゥタズィラ学派に近いとされるように、その教義はスンナ派の発展させたそれと非常に密接な関係にあり、政治的には一般にスンナ派と協調的である。 イバード派の教義において特徴的な点はイマーム論である。イバード派ではイマームを共同体の指導者として位置付けるが、指導者をクライシュ族出身に限定するスンナ派とも、ムハンマドの娘婿アリーの子孫に限定するシーア派とも異なり、宗教的に敬虔で指導者となるべき資質を持つ者ならば誰でもイマームになれるとする。この点はハワーリジュ派と変わりない。実際にイマームの選出を担うのは、有力なウラマー(宗教指導者)たちであり、部族がこれを承認するという形式を踏む。 イバード派はスンナ派からみると異端視されることもあるので、信徒はイバード派の信仰を隠すこと()を認める。イバード派共同体の力が弱いときはイマームを置かず政治的にも隠れの状態に入ることが許されており、この制度のおかげでハワーリジュ派が弾圧され衰退した後も生き延びることができたと言われる。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「イバード派」の詳細全文を読む
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