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イブン・バウワーブ
イブン・バウワーブ〔又はイブヌル=バウワーブ。〕()は、ブワイフ朝期に生きていた装飾写本製作者、能書家〔''Britannica'', Ibn al-Bawwāb.〕。イブン・スィトリー()〔又はイブヌッ=スィトリー。〕ともいう〔。全名は、アブル・ハサン・アリー・ブン・ヒラール・イブン・アブドゥルアズィーズ()と伝わる〔。 イブン・バウワーブという通り名が、文字通りには「門番の息子」を意味するため、微賤の生まれであると推測されている〔。にもかかわらず高度な教育を受け、イスラーム法学に通じ、クルアーンの暗誦もできた〔。最初建築物の装飾を生業とし、のちに装飾写本の制作と筆耕を仕事とした。また、書芸術についての本を著した。生涯のほとんどをバグダードで暮らしたが、シーラーズでも写本制作を行っている。イブン・バウワーブは、クルアーンの手写本を64セット作成したはずであり、そのうち、装飾の施された1000ページ余りがダブリンのチェスター・ビーティ図書館で閲覧可能である〔Chester Beatty Library - The Qur'an Collection〕。 イブン・バウワーブが後の世に及ぼした重要性は、イスラームの書法の発展への寄与にあると考えられる。彼の書はイブン・ムクラの弟子たちの影響を受けている。彼はイブン・ムクラのアイデアに芸術的要素を吹き込むことで、「均整のとれた書法」( al-ḫaṭṭ al-manṣūb )を完成させた。イブン・バウワーブは、(当時存在した)あらゆる書法を扱ったが、その中でもとりわけ、ナスフ体とムハッカク体の書法が高く評価されている。彼の流派は、没後も13世紀まで続いた。 == 脚注 ==
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