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イベントデータレコーダー : ウィキペディア日本語版
イベントデータレコーダー

イベントデータレコーダー(Event Data Recorder、EDR)は、エアバッグ等が作動するような交通事故において事故前後の車両の情報を記録するために自動車内に設置される装置である〔J-EDRの技術要件(国土交通省) 。〕。
なお映像記録なども行う装置(日本ではドライブレコーダー〔「ドライブレコーダー」は和製英語と考えられる。〕と呼ばれる)はこれに近い性格を持っているので本稿で合わせて述べる。
== 概要 ==
衝突事故の前後に自動車の挙動がどうであったかを公的な機関が判断することを助けるために、このイベントデータレコーダー(以下EDR)を回収して分析することができる〔交通事故例調査への EDR データ活用検討(交通事故総合分析センター) 〕。EDRは、警察車両や商用トラックに搭載されている音声テープレコーダービデオカメラより、むしろ航空機に使われるような「ブラックボックス」のような単純で衝撃耐性が高いRAMデバイスなどに用いられる用語である。
さまざまな形態のEDRがあり、それぞれ多くの特許が存在する。衝突までの数分間を記録しオーバーライトしながらデータを記録し続けるもの、速度か角運動量における急変などの衝突と似たような事象によって動作開始されるもの、交通事故が終わるまで記録し続けるものなどがある。EDRは、ブレーキが使用されたかどうか、衝撃、ハンドル操作時点の速度とシートベルトがクラッシュの間に締められたかどうか記録することができる。事故現場で回復されるまで情報を保持するタイプもあれば、データを無線で当局(警察や保険会社など)に送ることができるタイプもある。
車両事故の分析において、複数の車両が関係するケースでは互いの運転手の言い分が食い違うことが少なくなく(両者とも「進行方向の信号は青であった」と主張する例)、また当事者の一方が死亡するなどのケースもあるため、互いの責任割合がどのくらいの比率になるかを判断するためには、現場に残されたブレーキ痕や車両部品の破片の分布・周囲からの証言などを基にして、推測で判断せざるを得なかったが、この装置を活用することで客観的な分析が可能となったことで、導入車における事故処理の迅速化につながっている。
現在、アメリカ合衆国には、国家道路交通安全局 (National Highway Traffic Safety Administration) がEDRの統一規格を開発し、全ての新車にそのEDRの装着を義務づけるように働きかけている(ロビー活動)グループもあり、義務付けが予定されている。現在では、アメリカ国内法で装備する必要はないが、いくつかのメーカーが自発的にEDRの装着を始めた。
2003年の時点で、EDRを装備している車両が少なくとも4000万台あった。また、アメリカの損害保険会社が免許一年未満の運転者に無償貸し出しサービスを始め、近親者にメールで内容を報告するサービスも行っている。
日本国内では、自動車メーカー製造時にEDRを内蔵している車種が増えている。プライバシー保護のため映像と音声は記録しないが車速、アクセルとブレーキの踏み具合、シートベルトの着用の有無、ハンドルの角度を自動的に記録する。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「イベントデータレコーダー」の詳細全文を読む



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