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イングナ・フレイ〔V.G.ネッケル他編『エッダ 古代北欧歌謡集』(谷口幸男訳、新潮社、1973年)85頁等でみられる表記。〕(イングナル・フレイ〔『中世文学集III エッダ/グレティルのサガ』(松谷健二訳、筑摩書房〈ちくま文庫〉、1986年)40頁にみられる表記。〕とも)(''Ingunar-Freyr'')は、北欧神話に登場する神フレイの別名である。 『古エッダ』の『ロキの口論』第43節や、『聖オーラヴのサガ』(''Great saga of Saint Olaf'')でフレイに呼びかけられる名前である。 「Ingunar-Freyr」はしばしば、西ゲルマン語群の言語における、北ゲルマン語群の「Yngvi-Freyr」の同義語であるとみなされている。〔Lindow, John. 2002. ''Norse mythology: a guide to the gods, heroes, rituals, and beliefs''. New York: Oxford University Press. ISBN 0195153820.〕 この名に近い形の名称としては、「frea Ingwina(Ingの支持者らの領主)」が、『ベオウルフ』(1319年成立)で使われている。その中でその名は、デンマークの王フロースガール(en)を表している。 Ingunar-Freyrという名の意味はいまだ明らかでないが、ゲルマン民族の一派インガエウォネース族(''Ingaevones'')に関連があろうと考えられている。 もう一つの解釈は、「Ingunar」を「Ingun」の属格形と理解することである。その場合の「Ingun」は豊穣の女神ということになる。〔Schröder, Franz Rolf. 1941. ''Untersuchungen zur germanischen und vergleichenden Religionsgeschichte''. Vol. 1, ''Ingunar-Freyr''. Tübingen: J.C.B. Mohr.〕 == 脚注 == 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「イングナ・フレイ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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