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インディアナ州円周率法案 : ウィキペディア日本語版
インディアナ州円周率法案[いんでぃあなしゅうえんしゅうりつほうあん]
インディアナ州円周率法案(インディアナしゅうえんしゅうりつほうあん、Indiana Pi Bill)は、1897年インディアナ州議会本会議の246号議案の通称。ギリシアの三大作図問題の一つ円積問題が肯定的に解けたとする誤った主張を、法的に承認しようとしたものである。同年2月5日に同州下院において可決され、専門家の指摘を受けて同年2月12日に凍結された〔ベックマン 2006, pp.287-293.〕。円周率を誤りの値に定める(3.2など)のと等価な内容を含んでいることから、この名が付いた。
== 概要 ==
インディアナ州円周率法案という通称で知られているこの法案の趣旨は、円積問題(与えられた円と同じ面積の正方形を定規とコンパスだけで作図せよという問題)の解法であって、円周率の値を定めるものではない。ただし、この法案は円周率を3.2という間違った値に勝手に決める内容を含んでいる。
円積問題は古代から知られる未解決だった問題であるが、1882年にフェルディナント・フォン・リンデマンによって円周率超越数であることが示されて解決不可能であることが証明されている〔ベックマン 2006, pp.274-286.〕。また円周率の値のより適切な近似値は古代ギリシアの数学者アルキメデスの得た数値が知られていた〔「円の計算」命題三:任意の円の周はその直径の3倍よりも大きく、その超過分は直径の よりは小さく、 よりは大きい (3 < < 3)。アルキメデス 1972, pp.484-487.〕。
この法案は下院を通過したが、その晩ロビー活動に来ていた数学教授の素早い対処や新聞報道によって、上院で可決されることはなかった。
なお、この法案が円周率の値をある誤った数字(3といわれることが多い)に定める法案であると言われることがあるがそれは正確ではなく、誤った円周率の値自体はこの法案から間接的に導かれる副産物である。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「インディアナ州円周率法案」の詳細全文を読む



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