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インドの菜食主義
インドは住民の40%が菜食主義者(ベジタリアン)である〔榊原英資 p149〕。インドの菜食主義の起源はヒンドゥー教やジャイナ教の基本であるアヒンサー(非暴力または非殺生)であり〔榊原英資 p149〕〔「インドを知る辞典」 p113〕、2000年以上の歴史がある。 ==インドの菜食主義の歴史==
インドにおける菜食主義は紀元前5 - 6世紀にさかのぼる〔「朝倉世界地理講座 4」p21〕。当時インド北部を支配していたアーリア人は半農耕・半牧畜の民族で、日常的に肉食をしていた〔「インドを知る辞典」 p121〕。また彼らの宗教であるバラモン教は、司祭階級であるバラモンが神に対し動物や時には人間の「犠牲」をささげる祭祀(動物供儀)を行っていた〔森本達男 p86〕。当時都市の商人などに広まった仏教やジャイナ教は、動物供儀を否定しバラモンを批判した。この後バラモンは積極的に不殺生・菜食主義に移行してゆき〔「朝倉世界地理講座 4」p21〕、バラモン教もさまざまな外部要素を取り入れて現在のヒンドゥー教へと変貌して行った。ヒンドゥー教徒の生活規範を示したマヌ法典は紀元前2世紀から後2世紀にかけて編纂されたもので、供儀のための肉食は容認しているが無害の生き物を殺すことを否定している〔森本達男 p105〕。 バラモンを批判したジャイナ教は自身も非暴力を徹底し極端な菜食主義を続けているが、仏教では厳密には肉食を禁止しなかった〔榊原英資 p149〕。バラモン階級はインドのカーストの最上位に位置し菜食主義についても厳格に対応しているが、バラモンに続く上位階層も菜食主義を模倣している〔「朝倉世界地理講座 4」p20〕。なお一部のヒンドゥー教寺院、例えばコルカタのカーリーガート寺院では現在でも毎日ヤギが生贄として捧げられている〔前原利行「インド黄金伝説」旅行人 2002年発行 p155〕。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「インドの菜食主義」の詳細全文を読む
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