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インドラ : ウィキペディア日本語版
インドラ

インドラ(Indra、因陀羅、)はバラモン教ヒンドゥー教の名称である。デーヴァ神族に属する雷を操る雷霆神である。ディヤウスプリティヴィーの息子。漢訳では帝釈天・天帝釈・天主帝釈・天帝天皇などとされ仏教に取り入れられる〔株式会社日立ソリューションズ・ビジネス 『世界大百科事典 第2版』 Kotobank、2014。
楠戸義昭 『戦国名将・智将・梟将の至言』 学習研究社、2009。
楠戸義昭 『戦国武将名言録』 PHP研究所、2006。〕。特に『リグ・ヴェーダ』においてはヴァーユとともに中心的な神であり、また、『ラーマーヤナ』には天空の神として出てくる。絵の通りインドラは茶褐色の皮膚、一面四臂で、二本の槍を手にしている。アイラーヴァタという聖獣の象に乗る。
== 概説 ==
インドラ神のルーツは古く、インド=イラン共通時代までさかのぼる神であり、紀元前14世紀にヒッタイトミタンニとの間で結ばれた条文の中に名前があることから、アーリア人の移動とともに小アジアやメソポタミアなどでも信仰されていただったことが確認されている。
最初期の神々への讃歌集『リグ・ヴェーダ』においては最も多くの讃歌が捧げられ、全体の約4分の1を占めるほどの人気のある神であったが、時代を経るに従い、徐々に人気を失った。しかし、その後の神話世界でも、神々の王である彼の権威は保持されており、神都アマーラヴァティーのナンダナの園で天女たちに囲まれている。御者マータリの操る戦車に乗って出陣する。またインドラの武器ヴァジュラは、依然として雷を象徴する威力ある武器と考えられている。しかしゾロアスター教では悪魔とされた。
茶褐色の天と地を満たすほどの巨躯で、髪や髭は赤く、豪放磊落な性格。千年間母親の胎内に宿っていたが、生まれてすぐに他の神々からの嫉妬を恐れた母に捨てられ、更に父ディヤウスからは敵意を向けられていた。彼は一人旅に出て、ヴィシュヌからの友情を得るまで世界を放浪した。
アスラ神族の王から娘のシャチーを強奪し、陵辱までした後、結ばれた。また、ガウタマ聖仙の妻アハリヤーを誘惑して全身に女性の陰部を貼り付けられるという呪いをガウタマ聖仙から受けた。後にティロッタマーとという絶世の美女を見た時、全身の陰部が全身の千の目に変化して事なきを得た。
神酒ソーマを好み、強大な力を発揮する武器・ヴァジュラ金剛杵)を持つ。配下は暴風神マルト神群。戦う相手は、人々を苦しめる凶暴にして尊大な蛇ヴリトラなどである。別名ヴリトラハンはヴリトラ殺しに由来する。またトヴァシュトリ神の生み出した3つの頭を持つ怪物・ヴィシュヴァルーパや、ヴァラ(洞窟)、ナムチヴィローチャナメーガナーダといったアスラやラークシャサと戦った。
しかし、しばしば敵対者に敗北する。例えばアスラ王マハーバリには敗北し、インドラは天界追放の憂き目にあっている。ヴィシュヌヴァーマナ)の力を借りて取り戻すも、またもアスラのマヒシャースラに破れ天界を追放されている。この時は女神ドゥルガーがマヒシャースラを殺したおかげでインドラらは天界に戻った。インドラはラークシャサ族ラーヴァナ王の子メーガナーダにも負け、メーガナーダには「インドラジット」(インドラに打ち勝つものという意味)を名乗られる屈辱まで味わっている。
「ヴリトラハン」とは言うもののヴリトラにも当初は敗北し、神々の世界の半分をヴリトラへ分け与えることで一旦は和睦し、その後不意打ちによってに勝利した。
マハーバーラタ(紀元前10世紀頃に起きた大戦争を語り伝えた「バラタ族の戦争を物語る大叙事詩」)」に登場する英雄たちの超兵器の一つが「インドラの炎」「インドラの矢」等という名で呼ばれている。太古のインドでインドラが、アスラ神族またはラークシャサ(羅刹)の王ラーヴァナの大軍を一撃で死滅させたという。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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