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ウィルコクソンの符号順位検定 : ウィキペディア日本語版
ウィルコクソンの符号順位検定[ふごうじゅんいけんてい]

ウィルコクソンの符号順位検定(ふごうじゅんいけんてい、)は一対の標本によるノンパラメトリック検定法である。t検定に対応し、t検定で必要とされる仮定が満たされない場合に用いる。ウィルコクソン(Frank Wilcoxon、1892-1965)によって「ウィルコクソンの順位和検定」(マン・ホイットニーのU検定に同じ)とともに開発された。
==方法==
全2''n'' 回の観察で、''n'' 個の対象に対し各2回の観察を行うとする。''i''で各対象を表し、''i''に対する1回目の測定値を x_i 、2回目の測定値を y_i とする。
次のように仮定する。
# i=1,\ldots,nに対し Z_i=Y_i-X_i とする。各差 Z_i は互いに独立とする。
# 各Z_i は連続的母集団(同じでなくてよい)に由来し、共通の中央値\theta に関して対称とする。
帰無仮説H_0\theta=0 とする。絶対値|Z_1|,\ldots,|Z_n| を順番に並べ、各|Z_i| の順位をR_i として、これからウィルコクソンの符号順位統計量W^+ を計算する。\phi_i=I(Z_i>0) (ただしI(.) は指示関数、すなわちZ_i>0のとき I(Z_i)=1Z_i=<0のとき I(Z_i)=0)とする。ウィルコクソンの符号順位統計量 W^+
W^+=\sum_^n \phi_i R_i
により求める。
前後2回データを収集した場合の点数(中心点が0と期待される)の差を検定するのによく用いられる。中心点と完全に一致する点数は除外し、残りの点数の中心点からの偏差の絶対値を順位化し、最小の偏差が順位1となるようにする。タイ(同順位)点数には平均順位を充てる。中心点からの正・負の両偏差ごとに順位の和を計算する。両順位和の小さい方を''S''とする。そして''S''を順位分布の数表と比較してp値(中心点の周りに対称に分布する点数母集団から、その値以上の''S''値が得られる確率)を求める。
''n''が多くなると''S''の分布は正規分布に近づくので、10より大きい''n''に対してはp値を求めるのに正規分布を用いることが多い。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ウィルコクソンの符号順位検定」の詳細全文を読む



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