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ウイングカー : ウィキペディア日本語版
グラウンド・エフェクト・カー
グラウンド・エフェクト・カー(''ground effect car'' )とはレーシングカーの一種であり、車体下面と地面の間を流れる空気流を利用してダウンフォース(下向きの力)を獲得することを目的に設計された車をさす。名称は航空工学用語の「グラウンド・エフェクト(地面効果)」に由来する。その性質上、公道上を走る車にはその性能の一部しか用いられていない。
== 概要 ==
レーシングカーをはじめとする自動車は、高速で走行するという基本的な目的のために空気抵抗を減らすことが要求される。そのために多くの場合は流線型(ストリームライン)にデザインされているが、このような形状の物体は低速ではその効果が低く高速で移動することによってその効果を発揮しはじめる。この場合、速度が上がるにつれて同時に容易に揚力が発生するため、タイヤの接地力が減少してしまうこととなる。その結果として、エンジンの駆動力を効率よく地面に伝えられないだけではなく、直進安定性が低下するとともに、ステアリングの制御制動が低下するために自動車に求められる「曲がる」という機能については顕著となり、コーナー(カーブ)の旋回速度も下げざるをえない〔いわゆるコーナリングフォースが低下し遠心力に抗しきれないため。〕。
1960年代後半以降のレーシングカーは、車体の前後にウイングを設けたり、くさび形(ウェッジシェイプ)ボディにすることで揚力の発生を防ぎ、ダウンフォースを得る設計へと変わっていった。ウイングや車体形状で強いダウンフォースを得ると、そのぶん空気抵抗(ドラッグ)が増え、最高速は落ちるが、タイヤの接地力が高まることでコーナーの進入速度・旋回速度を上げることができ、結果としてサーキット1周のタイムは向上する場合が多い。
グラウンド・エフェクト・カーは空力付加物を車体表面に追加することなく、この方向性を極限まで追求したものと言える。概念としては、航空機の主による揚力発生原理を逆向き(地面向き)に応用したもので、連続の方程式断面積が狭ければ流体の速度は上がる)とベルヌーイの定理流体の速度が上がれば圧力は下がる)を利用している。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「グラウンド・エフェクト・カー」の詳細全文を読む



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