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ウゥルカーヌス(Vulcānus)はローマ神話に登場する火の神〔高津春繁 『ギリシア・ローマ神話辞典』 岩波書店 1960年、60頁。〕。ムルキベル(Mulciber)とも呼ばれた〔。後にギリシア神話の鍛冶神ヘーパイストスと同一視される〔。ウゥルカヌスとも表記され〔山北篤 『西洋神名事典』 新紀元社 1999年、231頁。〕、英語読みのヴァルカン(Vulcan)でもよく知られる。 ロームルスあるいはサビーニー人の王タティウスが信仰を始めたという〔。祭日は8月23日のウゥルカーナーリア(Vulcānālia)であった〔。 ウゥルカーヌスの神話はほとんどがヘーパイストスのものであり独自の神話は残っていない〔マイケル・グラント、ジョン・ヘイゼル 『ギリシア・ローマ神話事典』 大修館書店 1988年、129頁。〕。 ==語源== ウルカヌスの語源説は複数があるが、どれも確実なものではない。 一般的に受け入れられているのはヴェーダ語の várcas 「輝き」、アヴェスター語の varəčah 「力、エネルギー」と同じインド・ヨーロッパ祖語に由来するというものである。várcas はウルカヌスと同じ火の神アグニや太陽神スーリヤの持ち物であるとされた。 ほかにはエトルリアの神ウォルカヌスに由来するという説、前ギリシア文明期のクレタ島の神ウェルカノス(Ϝελχανος)に由来するという説もあるが、どちらも意味的・神話学的にウルカヌスと共通点がなく、偶然の一致である可能性が高い。 またオセット人のナルト叙事詩に登場する鍛冶神クルダレゴン(Kurdalægon)の方言形 Kurdalæwærgon を分解して得られる wærgon には「狼」という意味があり、そしてウゥルカーヌスと音声上一致するという説もある。しかしこれにしても、ウゥルカーヌスが鍛冶の神であるのはヘーパイストスに関連付けられて以降であり、ウゥルカーヌスと狼とは何の関係もない。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ウゥルカーヌス」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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