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ウォーター・スクープ
ウォーター・スクープ()は、蒸気機関車が走行中に給水を受けるために使用する設備である。平坦な区間においてレールの間に長い溝を掘り、そこに水を満たしておく。蒸気機関車がここを通過するときに装備しているウォーター・スクープを降ろすと、機関車が走っている勢いで水がスクープに流れ込み、炭水車の水タンクに入る仕組みになっている。地上側の水をためておく溝のことを、アメリカ英語ではトラック・パン ()、イギリス英語ではウォーター・トラフ () と称した。 == 地上側の設備 == 蒸気機関車は走行するために、かなりの量の水を消費する。テンダ機関車の場合は炭水車に、タンク機関車の場合は機関車本体の水タンクに水を貯蔵しているが、運行中に定期的に水を補給する必要がある。長距離にわたってノンストップの列車を運行しようとする場合は、走行中に給水する手段が必要となる。 ビクトリア朝時代の機関車技術者であったジョン・ラムズボトム (John Ramsbottom) は、この要求に応えるためにウォーター・スクープの仕組みを考え出した〔Acworth, J M, The Railways of England, 1889, John Murray, London〕。ウォーター・トラフは、レールの間に数百ヤードにわたって浅く掘られる。通過する列車が水を消費していくので、近くに水の補給源が必要である。この設備は全体にわたって平坦な区間に設置する必要がある。十分に水を補給するためには、ある程度の速度で列車が走っている必要があるので、停車駅との距離が十分あることが必要である。 初めてこの設備が設置されたのは、ロンドン・アンド・ノース・ウェスタン鉄道 (London and North Western Railway) のノース・ウェールズ・コースト線のモホドレ (Mochdre) で、1860年10月のことであった。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ウォーター・スクープ」の詳細全文を読む
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