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ウスキキヌガサタケ
ウスキキヌガサタケ(薄黄衣笠茸・淡黄衣笠茸、''Phallus lutetus '' (Liou & H. Hwang) T. Kasuya)はスッポンタケ目スッポンタケ科のスッポンタケ属に属するキノコの一種である。 == 形態 == 子実体は球状から卵状で、初期にはなかば地中に埋もれているが次第に地上に姿を現し、直径3cm前後、高さは5-6㎝程度になる。外面はやや厚い紙質で淡ピンク色ないし赤紫色を呈する殻皮外層で覆われ、底部には太い紐状から根状の根状菌糸束を備える。殻皮外層の内部には、ピンク色から赤紫色・半透明でゼラチン状の厚い殻皮中層が発達し、さらにその内部に、ごく薄くて丈夫な膜質から繊維質の殻皮内層に包まれて、暗緑色の基本体が形成される。基本体は薄くて釣鐘状を呈するかさの表面を覆い、かさの内側には 托が包み込まれている。 充分に成熟すると、球状のつぼみの先端が大きく裂けて開き、基本体を乗せたかさの先端が現れ、さらに托がすみやかに伸長し、全体の高さは8.5-25㎝に達する。かさは薄い膜質で円錐状を呈し、頂端はやや平らで尖らず、表面は不規則な多角形をなした多数の深いくぼみを生じ、個々のくぼみは粘液化した基本体におおわれるが、降雨あるいは昆虫による食害などによって基本体が消失すると、淡黄色から帯黄オレンジ色の地肌が現れる。托は上下にやや細まった円筒形ないし紡錘状円筒形で、もっとも太い部分の径1.5-2.5㎝程度、もろいスポンジ質で折れやすく、表面はほぼ白色または淡黄色で、不明瞭な網目状の隆起をあらわし、中空である。かさの下端から垂れ下がる菌網(indusium)は高さ6-16㎝に及び、円形あるいはやや多角形の多数の網目(径2-7㎜)を備えたレース状で、鮮やかな黄色から橙黄色を呈し、もろくて崩れやすい。基本体は、子実体の成熟に伴って次第に粘り気を生じ、最終的には帯オリーブ褐色から帯緑黒色の粘液となってかさの表面のくぼみを満たし、異臭(アンモニア臭と甘いムスク臭とが混ざったようなにおいであるという〔近田節子、2009.ウスキキヌガサタケの匂い.千葉菌類談話会通信25:34-36.〕)を放つ。幼い子実体を包んでいた殻皮は、成熟した子実体では托の基部を包む袋状の「つぼ」となって残る。 胞子は円筒形ないし幅広い紡錘形で無色・平滑、大きさ3.-4.×1.5-2.0μmである。托や菌網は、ほぼ球形(径5-43μm)で淡黄色を呈する薄壁細胞群で構成される。殻皮外層は、顕微鏡的には二層からなっており、外側の層はやや太くて淡赤紫色から淡褐色の菌糸からなり、内部の層はより細くてほとんど無色の菌糸で構成されている。これらの菌糸にはかすがい連結を備えている。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ウスキキヌガサタケ」の詳細全文を読む
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