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ウナギの煮こごり : ウィキペディア日本語版
ウナギのゼリー寄せ[うなぎのぜりーよせ]

ウナギのゼリー寄せ(ウナギのゼリーよせ、:''Jellied eels'' )またはウナギの煮こごり(ウナギのにこごり)は、18世紀に生まれた伝統的なイギリス料理である。特にロンドンイーストエンドの名物として知られる。ぶつ切りにしたウナギを煮込んでから冷やしてゼリー状に固めたもので、温かくしても冷たいままでも食べられる。
== 歴史 ==

16世紀から19世紀のロンドンにおいて、ウナギは安くて栄養がある庶民にも手軽な食材であった。かつてのテムズ川にはヨーロッパウナギが多く生息し〔石井(2006年)、35頁〕、ロンドン市内を流れるあたりでもウナギをとる漁網が仕掛けられ、貧困層にとっては主食になっていたのである。テムズ川でウナギがとれた時代の名残として、テムズ川にはイールパイ・アイランドという小島が存在する〔。18世紀のロンドンに、「イール・パイ・アンド・マッシュ・ハウス」(en, Eel Pie & Mash Houses、ウナギパイとマッシュポテトの店)と呼ばれる形式のウナギ料理店が出現した。現存する最古のこの種のウナギ料理店「M・マンゼ」(M. Manze)は、1891年創業である。第二次世界大戦期の食糧難の際にも、ウナギは配給制適用外の貴重な食品として人気があった〔シュヴァイド(2005年)、142頁。〕。
ウナギのゼリー寄せも、こうした庶民の味覚の一つとして生まれた料理である。ウナギのゼリー寄せは、20世紀に入ってからも、ロンドンの市場競馬場パブの前に出された数多くの屋台で売られていた〔シュヴァイド(2005年)、138頁。〕。
20世紀後半に入ると、イギリスではウナギの人気は非常に低下した。安くて栄養のある食材への需要が減ったうえ、他の食品が選択肢として増えたことや味の嗜好の変化により、ウナギの占める地位はあまり重要ではなくなったのである。ウナギ料理の本場のイーストエンドでも、従来の住民の多くが郊外に移住するとともに外国人が流入、ウナギを扱う店は減っている。例えば第二次世界大戦が終わったころ、ロンドンには100軒以上のパイ・アンド・マッシュ店があってウナギのゼリー寄せを提供していたが、1995年には87軒となり、以後も減少が続いている〔シュヴァイド(2005年)、143頁。〕。テムズ川の水質悪化により、ウナギの漁獲が減った影響もある。1960年代以降には水質が改善し、ウナギの放流が行えるまでに回復、環境局:en:Environment Agency)もテムズ川での漁業を支援しており、タワーブリッジよりも上流でならば漁網の使用を許可しているものの、ウナギの人気は回復していない。
2000年から21世紀初頭では、ロンドンでウナギのゼリー寄せを扱う店は若干のパイ・アンド・マッシュ店が残るほか、少数の屋台や一部のスーパーマーケットで売られている程度となっている。例えばチャペル・マーケットen)では、以前は3-4軒のウナギゼリー寄せを売る屋台があったが、今は1軒のみとなっている〔シュヴァイド(2005年)、140頁。〕。ビリングズゲート魚市場en)ではウナギを扱う卸売商は1軒だけとなり、この店が作ったウナギのゼリー寄せがロンドン地域の小売店の多くに卸されている〔シュヴァイド(2005年)、137頁。〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ウナギのゼリー寄せ」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Jellied eels 」があります。



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