|
ダマスカス鋼(ダマスカスこう、)とは、木目状の模様を特徴とする鋼であり、古代インドで開発製造されたウーツ鋼の別称である。 ダマスカス鋼の名の由来は、インド産のウーツ鋼を使用し、シリアのダマスカスで刀剣などに鍛造されたことから、 この名がついた。 現在は異種の金属を積層鍛造して模様を浮かび上がらせた鋼材もダマスカス鋼と呼ばれているが、本来のダマスカス鋼の模様はるつぼによる製鋼における内部結晶作用に起因するものである〔“ダマスカス鋼”の謎に迫る~人類がステンレス鋼を手に入れるまで~ 〕。 ==ウーツ鋼== 微小なカーバイド(Fe3C)の層からなる帯状模様を特徴とするるつぼ鋼。''ukku'' はカンナダ語で鋼を意味する〔http://materials.iisc.ernet.in/~wootz/heritage/WOOTZ.htm〕。南インドで紀元前6世紀に開発され、世界的に輸出された。 その後の学術的な研究により、ほぼ完全な再現に成功していたと思われていたが、ドイツのドレスデン工科大学のペーター・パウフラー博士を中心とする研究グループによる調査で、ウーツ鋼からカーボンナノチューブ構造が発見された〔M Reibold et al. ''Nature'' 2006, 444:286〕〔Carbon nanotubes: Saladin’s secret weapon - Natureに基づいたRSCによる記事〕ことで、現代のウーツ鋼の再現は完全でない可能性が示唆された。しかし、調査対象となった刀剣の素材のるつぼ鋼がどこで製造されたものなのか不明であること、他のウーツ鋼やそれ以外の刀剣との比較研究が為されていないことから、この発見がウーツ鋼全般に共通する特徴とは断言できないとの指摘もある〔http://www.archaeologie-online.de/magazin/fundpunkt/forschung/2006/scotts-talisman-damastsalat-und-nanodraht/seite-1/〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ダマスカス鋼」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|