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エイモン・デ・ヴァレラ : ウィキペディア日本語版
エイモン・デ・ヴァレラ

エイモン・デ・ヴァレラ(Éamon de Valera, 正式には Edward George de Valera, 時にアイルランド語式綴りで Éamon de Bhailéara とも、1882年10月14日 - 1975年8月29日)は、アイルランドの政治家。アイルランド共和国第3代大統領
20世紀初頭のアイルランド独立運動を指導し、アイルランド内戦では英愛条約反対派の中心人物であった。最高評議会の第2代議長、初代ティーショク(1937年以降のアイルランド首相の名称)、アイルランド大統領を2期(1959年 - 1973年)務めるなど、生涯にわたってアイルランドの政治的要職を歴任した。その一方で教育者・数学者としての顔も持ち、1922年から死去までアイルランド国立大学の総長職にもあった。その功績に対しては賛否両論があるが、20世紀のアイルランドを語る上での重要人物である。日本語ではイーモン・デ・ヴァレライーモン・ド・ヴァレラエーモン・デ・ヴァレラとも表記される。

== 生涯 ==
=== 青年時代まで ===
デ・ヴァレラは1882年にニューヨークの病院で生まれた。本人の言葉によれば、アイルランド人の母ケイト・コールとキューバ系の父ホアン・ヴィヴィオン・デ・ヴァレラは1881年にニューヨークで結婚したという。しかし、歴史家や伝記作家たちがいくら丹念に調べても、教会にも市役所にもそのような2人の結婚記録は残されていなかった。1990年に最新の伝記『デ・ヴァレラ』(''"De Valera: Long Fellow, Long Shadow"'' )を著したティム・パット・クーガンもそのような記録を見つけられなかったといい、それどころかホアン・ヴィヴィオン・デ・ヴァレラあるいは似た名前の人物の誕生・洗礼・結婚・死去に関する一切の記録を発見できなかったと述べている。このような事実から、デ・ヴァレラは私生児であったというのが定説になっている。
現在の社会では私生児であっても特に不利益を受けることはないが、19世紀の終わりごろには私生児であることはカトリック教会の聖職者になる道を閉ざされることを意味していた。デ・ヴァレラは生涯を通じてカトリック信徒としての深い信仰を持ち、死に際して遺体を修道院に埋葬してほしいと頼んだほどであった。生涯の中でも数度、本気で修道者になりたいと思案していた時期があった。司祭であった異父弟のトーマス・ウィールライトの生き方も彼に影響を与えていた。彼の相談を受けた司祭たちも修道生活の道を勧めず、結局その道に入ることがなかった。前述のパット・クーガンも、彼の出生の秘密と修道者になれなかったこととの間に関連があるかどうかは不詳としている。
いずれにせよ、デ・ヴァレラは2歳でアイルランドに渡った。母ケイトの再婚を機に、デ・ヴァレラはアイルランドのリムリック州に住む母方の親戚の家に預けられたのである。彼はブリュリー国立学校、チャールビル・キリスト教兄弟学園で学び、16歳でダブリンのブラックロック・カレッジの奨学生に選ばれた。真面目な学生だったデ・ヴァレラはさらに奨学金を獲得して勉学を続け、1903年にはティペラリー州のロックウェル・カレッジの数学教授の任命を受けた。1904年アイルランド王立大学を卒業すると、ダブリンに戻ってベルヴェデーレ・カレッジで教鞭をとった。1906年にはブラックロックのケリーズフォート女子教育大学で数学を教えるようになった。デ・ヴァレラはアイルランド王立大学での就職を望んだが果たせず、メイノースなどいくつかの学校で講師の職を得た。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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