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エルゲネコン : ウィキペディア日本語版
エルゲネコン
エルゲネコンとは、トルコ治安部隊に浸透しているとされる世俗主義愛国主義的な秘密結社につけられた名前である。トルコ政府はこうした大規模な武装した反政府グループが存在し、テロ活動政府の転覆を企んだと非難している。
一部の人々は、エルゲネコンは「国家の中の国家」の表面であると信じている。このような「国内国家」の陰謀論は、1996年のススルルク事件〔トルコ北西部ススルルクで起きた交通事故の際、同じ車に国会議員警察高官武装組織幹部が乗っていた事件。公権と暴力組織の癒着が明るみに出て問題となった〕以来、トルコの人々に支持されてきた。訴えられたエルゲネコンのメンバーとされる人々は、知識人政治家軍人などを暗殺し、社会不安を広げ、政治的な右翼左翼の対立を煽り、爆発物などで恐慌を作りだし、最終的にはトルコの現政府を倒すことをもくろんでいたと告発されている〔エルゲネコンとはこんな組織 ススルルクはじめ様々な事件に関与 東京外国語大学TUFSmedia〕。
一方で、ある裁判執行官は、一連の事件はトルコの教育慈善団体であるギュレン運動とつながりがあり、同運動によるトルコ軍への陰謀があったとしている。
== 概要 ==
「エルゲネコン」という名前が最初に語られたのはススルルク事件の時で、当時はギャングの一種のような扱いだった。しかしそれ以来、エルゲネコンは危険な方向へ変化してきていると言われている。次にエルゲネコンの名前が出たときはすでに軍人が絡んでおり、アメリカCIAなどの後押しで設立されたと語られた。実際、エルゲネコン疑惑において主張される「破壊活動暗殺で社会を不安におとしいれ国民が自分たちを支持するように仕向ける」というやり方は、イタリアで行われた情報活動であるグラディオ作戦の手口、また同作戦におけるトルコ支部「コントルゲリラ」の動きに似ているとも指摘されている。
しかし、このようなアメリカ主導の謀略組織を思わせる初期のエルゲネコン像は、現在の実情とはかなり違いがあるとされる。現在のエルゲネコンは古いそれの分派組織であり、証言者によるとエルゲネコンは現在、設立当初の「コントルゲリラ」のような立ち位置を捨て、武装した秘密結社のようにふるまっている。一方で別の見方によれば、エルゲネコン構成員の容疑がかかっている者の一部は実際になんらかの罪を犯したかもしれないが、彼ら全員を共犯者とする組織のようなものはなく、ただ共通しているのはイスラム主義の色が濃いといわれる公正発展党(AKP)やエルドアン政権に反対している点だけである。おおぜいの容疑者の中の一部を違法行為で訴える証拠はあるが、あくまで一部の者に関してであり、また別の者たちが過激な政治的意見や世界観の持ち主であると分かってはいるが、やはり全体の中のごく一部の者に限られている〔Gareth Jenkins, Between Fact and Fantasy: Turkey's Ergenekon Investigation ,in Silk Road Studies〕。むしろエルゲネコンの方針は国家安全保障会議の政策に沿うものという主張もある〔トルコ国家安全保障会議軍部が主導権を握っており、一時は内閣を超える事実上の最高意思決定機関と呼ばれていた。現在も軍の影響で世俗主義色が非常に強く、一般に語られるエルゲネコンの性向と一致する点もある〕。
一部新聞によれば、エルゲネコンの組織は一人のリーダーの下で6つの部門に分かれているとされるが、内実は定かでない。リーダーの名前も時折取りざたされるが、その時々の報道によって言及される相手はさまざまである。
エルゲネコン疑惑は多くの人々と社会全体を巻きこんだ。2011年の時点では500人以上が拘束され、そのうち約300人が検察に「エルゲネコン・テロ組織」であるとみなされていた。検察はさらに、彼らは過去30年間のトルコにおけるほとんどすべての政治的暴力について責任があると告発した〔THE FADING MASQUERADE: ERGENEKON AND THE POLITICS OF JUSTICE IN TURKEY , in Turkey Analyst〕。
エルゲネコンの名は、トルコ人の民族始祖アセナが隠れ住んだアルタイ山脈にある伝説的な峡谷、エルゲネコンの谷に由来する〔Guide to Ergekon, Accused of Terrorism in Turkey , in About.com〕と考えられている。ユーラシアのどこかにあるテュルク民族の幻の故地という考え方は、オカルト論に登場するアガルタのように人々、特にトルコではナショナリストをひきつけてきた。このエルゲネコン神話はトルコ共和国時代の初期に積極的に社会へ流布されたが、これは共和国建国の父アタテュルクが新しいトルコを創るにあたって、宗教よりも民族意識で国民を団結させようとしたことによるものである。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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