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エルゴ球[えるごきゅう]
エルゴ球(エルゴきゅう、ergosphere)とは回転するブラックホールの外に位置する領域である。その名前はギリシア語の仕事を意味する''ergon''の語から来ている。エネルギーと質量をブラックホールのこの領域から取り出すことが理論的に可能なことから、ジョン・ホイーラーらによってこの名前が付けられた。 ==特徴== エルゴ球は回転楕円体の形をしており、ブラックホールの自転軸で事象の地平線と接する。エルゴ球の中の時空はブラックホールの回転方向へ引っ張られている。内部の時空は静止した宇宙と比較すると光速度より速い速度で引っ張られている。この現象は(Lense-Thirring effect)として、また慣性系の引きずり(frame-dragging,w:Frame-dragging) として知られている。エルゴ球の中では、空間に物体が光速度以上で引きずられるので、物体が外の宇宙に対して静止するためには引き摺られている空間に対して光速度以上で運動しなければならず、これは物理的に不可能なため、エルゴ球の中の物体は外の静止した宇宙からみて静止することはない。また、この空間の引き摺りにより、エルゴ球の中に負のエネルギーが存在するという結果がもたらされる。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「エルゴ球」の詳細全文を読む
英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Ergosphere 」があります。
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