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エレファント勲章 : ウィキペディア日本語版
エレファント勲章

エレファント勲章 (デンマーク語: ''Elefantordenen'') はデンマークでもっとも位の高い勲章である。起源は15世紀にさかのぼるとされ、1693年に初めて記録に載った。1849年施行のデンマーク王国憲法によると王族および国家元首に授ける勲章である〔(英語)) ">"The Royal Orders of Chivalry" (「王室勲騎士勲章の歴史と勲功章」(英語)) 〕。

== 歴史 ==
聖母友愛兄弟団 Fellowship of the Mother of God (デンマーク語で''"Guds Moders Selskab"'') の創設はデンマークのクリスチャン1世の時代の1457年前後で、会員のしるしのメダルはエレファント勲章の原形といわれる。勲等が1等級という決まりはキリスト教兄弟団をうんだカトリック教と無関係ではない〔出典はデンマーク王立勲等協会のウェブサイト (デンマーク王国ヘンリク王配後援)。〕。聖母友愛兄弟団 (コンフラタニティ) の会員数はデンマーク貴族およそ50人、団のメダルは陽光に包まれ幼いキリストを抱く聖母マリアの姿を三日月に刻んであった。メダルをさげる鎖は象を連ねてあり、現在の勲章の頸飾に似ている。1536年宗教改革により兄弟団はすたれ、その後フレゼリク2世の時代になると表面に王の姿を刻ませた象のメダルを与えはじめている〔ローゼンボー城収蔵のエレファント勲章の解説による。王の肖像、イニシャルの組み合わせ文字、モットーが刻んであるという。〕。象の形を選んだのは、兄弟団の聖職者が象の形の頸飾を用いたことにちなむともいい、象は純潔と信心深さの象徴であったと考えられる〔。エレファント勲章のメダルは見張り塔を背に載せた象の紋章であり、ヨーロッパの図像学に定着したデザインである。もとの図像は象の背に象かご (天蓋つきの座席) を載せていたものを、なじみのない象かごを塔に置き換えたとみられる(図1参照)。
現在のデザインは1693年12月1日にクリスチャン5世が定め、最高位の君主と王子・王女のほかは一等級とし、貴族騎士をふくむ30人に限って叙任すると規定され〔エレファント勲章勲騎士は大綬の色から「青騎士」と呼ばれ、「白騎士」はデンマーク騎士勲章である ダンネブロ勲章の受章者を指す。どちらの勲章もクリスチャン5世が制定。〕、その後1958年の法令により男性も女性もともに授与の対象とされた。勲騎士は一族の紋章を楕円形のカンバスに描かせてフレデリクスボー城 (ヒレレズ) の礼拝堂に納めてきた (図4 参照) 〔。
クリスチャン4世はエレファント勲章より早く「拳の勲章」を定めており、やがてエレファント勲章の象の背にかけた布に「武具をつけ剣を構えた腕」というモチーフとして組み込まれていく。1633-1634年に叙勲された 2種類の勲章のデザインを合わせた 実例を見ることができる。
「拳の勲章」は独特のデザインで、スウェーデンとのカルマル同盟の後に騎士たちの戦功を称えようと1616年12月2日に制定したとされる〔。出典=Grandjean, H.F "De Kongelige Danske Ridderordener" (1903)。Stevnsborg, Lars "Kongeriget Danmarks Ordener, Medaljer og Hæderstegn" (2005)。Berghman, Arvid "Nordiska Ordnar och Dekorationer" (1949)〕。メダルは肘を曲げた腕の形で青いエナメル塗装をしてダイアモンドを連ね、拳に鉄の剣を握らせたデザイン。メダルに付いた金鎖2本に青い大綬を通し、首にかけたと考えられる。また「試作品」が伝世し、ローゼンボー城と国立歴史博物館 (フレデリクスボー城)の収蔵品のほかに個人蔵で文献で確認と照合のできるものがあるという。ローゼンボー城のものは複数ありクリスチャン5世の頭文字があることから、一度はすたれたものの、この勲章をまた叙勲する動きがあった可能性がうかがえる。
 
File:Howdah (PSF).png| 古典の図像 (象かご)
File:Keten_Olifant_crop02.jpg| メダル (見張り塔)
File:Keten Olifant.jpg|上・頸飾 (象と塔の連続模様) 下・メダル
File:Keten Olifant_crop.jpg|頸飾の象に頭文字「D」



抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「エレファント勲章」の詳細全文を読む



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