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エンヘドゥアンナ エンヘドゥアンナ(En-hedu-ana, Enheduana, Enheduanna, シュメール語: 𒂗𒃶𒁺𒀭𒈾 , EN.HÉ.DU.AN.NA)は、紀元前2285年頃から2250年頃の人物。初代アッカド王サルゴンの王女であり、かつウル市の月神ナンナ(アッカド語ではシンと呼ばれる)に仕えた女神官で、さまざまな詩や文章を残したことで知られている。 == 判明している生涯 == その名はシュメール語で、「天において讃えられる主人(女主人)」〔小林 (2005) , pp. 196-199.〕、あるいは「アン(天空神)の飾りである主人(女主人)」を意味する。彼女はシュメール神話のパンテオンの中でもイナンナ神を最も讃えており、シュメール神話のイナンナとアッカド神話のイシュタルが一体化するのに大きな役割を果たした。 ウル市から出土したアラバスター製の奉納円盤には、ジッグラトの前で参拝する集団が描かれている。聖水を注ぐ神官の後ろでは、頭に被り物をした女神官が侍女二人を従えて鼻に手を添えて祈っている〔。円盤の裏面には「アッカドのサルゴンの娘」という碑文があるため、この女神官がエンヘドゥアンナだと考えられている。サルゴン王は家族たちを重要な地位につけることに成功しており、娘エンヘドゥアンナもナンナ神の「エン」(エン女神官)になった。これ以後、王女がエン女神官になる伝統は紀元前6世紀の新バビロニア末期まで続いたが、エンヘドゥアンナは現在判明している限りその最古の例となる。円盤の後ろには「ナンナのジル(zirru)」という文言も見られるが、Joan Westenholz は月神ナンナの配偶神である女神ニンガルの化身あるいは名代という説を支持している。 エンヘドゥアンナは後年、自身の最も有名な詩である『ニンメシャルラ』(Nin-me-sara, 『イナンナ女神賛歌』)の中でイナンナ神に助けを呼びかけている。彼女の甥にあたる第四代王ナラム・シンの時代、領土が拡大したアッカド王国内では反乱が相次ぎ、彼女もエン女神官の地位から追放されていた。前述の奉納円盤の壊れかたが激しいのは、この反乱の際に破壊されたためと見られる〔。Annette Zgoll によれば、シュメール人が信じるところでは、このとき彼女が『イナンナ女神賛歌』を書いたことによりイナンナ神が彼女の祈りを聞き入れ、ナラム・シンは9つの戦いに勝ち抜いてシュメールとアッカドの統合を回復した。この戦いの後、エンヘドゥアンナは再びエン女神官の地位に戻っている。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「エンヘドゥアンナ」の詳細全文を読む
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