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エーテル型脂質(エーテルがたししつ)とは、グリセロール骨格に炭化水素がエーテル結合した極性脂質である。 エーテル型脂質を極性脂質として有する生物は古細菌と一部の好熱性細菌のみである。他の生物の有する極性脂質は二分子の脂肪酸がグリセロールにエステル結合した構造を取る。 ==古細菌エーテル型脂質== 古細菌を他生物(真核生物、バクテリア)と区別する点で、エーテル型脂質の構造がその決め手となる。以下に、古細菌に特有なエーテル型脂質の特徴を列挙する。 #グリセロールと炭化水素の結合はすべてエーテル結合である(エステル結合は存在しない) #炭化水素鎖はイソプレノイドアルコール (C20–C40) のみであり、脂肪酸を持たない。 #グリセロール骨格の立体構造は ''sn''-グリセロール1-リン酸型である(他生物では対掌体の ''sn''-3位にリン酸が結合する)。 #炭化水素が2本結合したジエーテル型脂質が向かい合って head-to-head 結合を行ない、テトラエーテル型脂質を形成する。 以上は、古細菌のエーテル型脂質の特徴であるが 1, 2, 4 については例外も存在する。 1 の例外については、真正細菌のともエーテル結合を有する脂質を持つ。2 の例外は極性脂質としてはイソプレノイドは存在しないが、真核生物の場合はステロイド、真正細菌はユビキノンやムレインの中間体として存在する。4 の例外は属や属(ともに真正細菌)でジアボリン酸という脂質が見つかっている。 いずれも極性脂質としては例外的なものではあるが、いまだ古細菌以外の生物で ''sn''-グリセロール1-リン酸型脂質を持つ生物はみつかっていない。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「エーテル型脂質」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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