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オオカバマダラ(大樺斑・学名''Danaus plexippus'' )は、チョウ目・タテハチョウ科・マダラチョウ亜科に分類されるチョウの一種。北アメリカでは渡り鳥のように渡りをするチョウとして有名。 ==特徴== 成虫の前翅長は5cmほど。翅は橙色で翅脈と縁が黒い。黒の縁取りの上には小さな白い斑点がある。オスとメスを比較すると、オスは後翅の腹部に近い部分に黒い斑点がある。メスにはこの黒い斑点がなく、黒い翅脈がオスよりも太い。ゆっくりと飛ぶが飛行能力にはすぐれていて、あまり羽ばたかずに気流に乗って遠距離を飛び続けることができる。 おもに北アメリカのカナダ南部から南アメリカ北部にかけて分布するが、西インド諸島、太平洋諸島(オーストラリアとニュージーランドなど)、カナリア諸島とマデイラ諸島にも分布する。日本では小笠原諸島や南西諸島で発見された記録があるが、これらは定着しておらず、季節風や台風などに乗って日本へやってきた「迷蝶」とみられる。なお、ロシア、アゾレス諸島、イギリス、スウェーデン、スペインでも、迷蝶としてしばしば記録される。 メスを見つけたオスは尾部から毛の束を出し、この毛の束からフェロモンを放出しながらメスの周囲を飛び回る。交尾の終わったメスは幼虫の食草であるトウワタなどのガガイモ科植物の上に産卵する。幼虫は白黒の横しま模様で、頭部付近と尾部付近に黒い突起を持つ。また、蛹は青緑色で、羽化間近になると金属光沢のある灰黒色となる。 Monarch Butterfly Danaus plexippus Mating Vertical 1800px.jpg|交尾 Monarch_Butterfly_egg.jpg|オオカバマダラの卵 Monarch caterpillar and egg.jpg|卵と幼虫 Danaus plexippus chrysalis 2003-10-16.jpg|蛹 Danaus plexippus MHNT.jpg| ♂ Danaus plexippus MHNT femelle.jpg|♀ 幼虫はトウワタの葉を食べることによって、トウワタのもつアルカロイドを体内に蓄えて毒化する。この毒は蛹や成虫も持ち続けているので、鳥などがオオカバマダラを捕食すると間もなく苦しみはじめ、ついには吐き出してしまう。オオカバマダラは幼虫、蛹、成虫どれも鮮やかな体色をしているが、これは捕食者に毒を持っていることを知らせる警戒色といえる。カバイロイチモンジ (Viceroy、''Limenitis archippus'')など、 オオカバマダラの翅色に似せた擬態(ベイツ型擬態)をすることで身を守るチョウも知られている。また、分布域の南部では同属の他のチョウと分布が重なるため、ミューラー型擬態も起こっている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「オオカバマダラ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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