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オカミミガイ科(陸耳貝科)、学名 Ellobiidae は、温帯から熱帯域の主として海岸に生息する巻貝のグループである。分類上は有肺類に分類され、モノアラガイ、カラマツガイ、ドロアワモチ、カタツムリなどに近縁である。なお和名が似る「ミミガイ科」はアワビの仲間を指し、オカミミガイ科とは全く別系統の巻貝である。 ==形態== 殻長は2mmに達しないニホンケシガイ ''Carychium nipponense'' のような微小種から、100mmを超えるミダノミミガイ ''Ellobium aurismidae'' まで種類によって異なるが、大部分は10mm-20mm前後の小型の殻をもつ〔R.Tucker Abbott & S. Peter Dance著/波部忠重・奥谷喬司訳『世界海産貝類大図鑑』平凡社 1985年 ISBN 458251815X〕。日本産の最大種は殻長30mmを超えるオカミミガイ ''E. chinense'' である〔奥谷喬司編著『日本近海産貝類図鑑』(解説 : 黒住耐二)2000年 東海大学出版会 ISBN 9784486014065〕。 貝殻は水滴形や楕円球形等で、種類によって縦横の比率や殻口の形が異なる。殻の質は堅固・平滑なものが多く、顕著な角をもつものなどはいないが、強い螺条をもつものや布目状の彫刻をもつものもある。殻の色は褐色のものが一般的で、他に白・黄・黒などのものもある。ヒラシイノミガイ属など不規則な斑紋をもつものや、ハマシイノミガイ属の一部の種などに明瞭な色帯をもつものもあるが、鮮やかな色彩をもつものはほとんどない。殻皮はごく薄いものからミダノミミガイのように厚いものまである。幼貝のうちは殻皮に毛が見られるものも多く、一部には成貝でも非常に発達した毛をもつ種もある。殻の内部が他の巻貝のように層になっておらず、広い一室になっているのも本科の特徴である。これは成長に伴い、古い螺旋状の仕切りが二次的に溶解吸収される結果である。 発生初期の幼生には蓋があるが、変態とともに消失し、幼貝期にはすでに蓋をもたない。しかし殻口の内側に歯のような突起が発達するものが多く、殻口を狭めることで外敵の侵入防止に役立っていると考えられている。 軟体部の頭部には2本の触角があり、目は触角の根元にある。雌雄同体で生殖口は体の右側にあるが、雌部と雄部はやや離れて別々に開口する。カタツムリなどと同様に肺をもち肺呼吸を行うが、海岸性の種では満潮時に水没する生活を送っているものも多い。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「オカミミガイ科」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Ellobiidae 」があります。 スポンサード リンク
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