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ローマン・コンクリート( オプス・カエメンティキウム, )または古代コンクリート(こだいコンクリート)とは、ローマ帝国の時代に使用された建築材料。セメントおよびポッツオーリ(イタリア・ナポリの北にある町)の塵と呼ばれる火山灰を主成分とした。現代のコンクリートは、カルシウム系バインダーを用いたポルトランドセメントであるが、古代コンクリートはアルミニウム系バインダーを用いたであり、倍以上の強度があったとされる。ローマのコロッセオには古代コンクリートも使用されており、二千年近く経過した現在も存在しているのはそのためとされる。また、ローマ帝国の滅亡後に使用された痕跡はないとされる。 == 性能 == 現代のポルトランドセメントはアルカリ性になる化学反応によって結合しているため、炭酸化によって表面から中性化することでしだいに強度を失っていく。そのため、日本のコンクリート建造物の寿命は、およそ50年から100年程度と言われている。これに対して、古代コンクリートは、地殻中の堆積岩の生成機構と同じジオポリマー反応によって結合してケイ酸ポリマーを形成するため、強度が数千年間保たれている。現代の鉄筋コンクリートと呼ばれるセメント建築物は、引っ張り力を鉄筋が受け持ち、コンクリートは圧縮力に耐えればよいが、鉄筋が使われていない古代コンクリートは、引っ張り力もコンクリートに依存するといった根本的な違いがある。鉄筋コンクリートは、引っ張り強度を確保するために使われている鉄筋などの鋼材に中性化が達すると、腐食に伴って鉄筋が膨張し、コンクリートを内側から破壊する力を発生させて、ひび割れや剥離を引き起こして崩壊へと至る。一方、鉄筋等が使用されていない古代コンクリート建造物には、そのような機序のひび割れや劣化はみられない。 また、ジオポリマー(無機質プラスチック)で作られたコップは、コンクリートの床に落としても、陶器のように割れることなく跳ね返るなど、極めて強靭な性質を備えている。 近年、古代コンクリートは徐々に見直されつつあり、日本でも鹿児島大学の武若耕司がシラスの有効活用のために研究をしている。また、山口大学工学部池田攻名誉教授等が、地球温暖化防止と鉱物質廃棄物処理に貢献するとして、ジオポリマー技術の有用性を説いている。 強度が高く、強度発生までの時間が短いため、軍事面での応用や研究も行われている。鉄道の枕木、下水管、滑走路や石造りの建築物の補修など、広範囲の用途で試験的に使われ始めている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ローマン・コンクリート」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Roman concrete 」があります。 スポンサード リンク
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