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オーキシン(英語 auxin)とは、主に植物の成長(伸長成長)を促す作用を持つ植物ホルモンの一群。天然に存在するオーキシンとしてはインドール-3-酢酸(IAA)が最も豊富に存在しており、他にもインドール-3-酪酸(IBA)(en)はトウモロコシなどに含まれている。合成オーキシンとして、ナフタレン酢酸、ナフトキシ酢酸、フェニル酢酸、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)、2,4,5-トリクロロフェノキシ酢酸(2,4,5-T)などがある. 同じく植物の成長を促進する植物ホルモンにジベレリンがあるが、オーキシンとは働き方が異なるため、ジベレリンに分類される物質はオーキシンに含まれない。 屈光性の研究の際、茎の成長を促進する物質の存在がウェント (Frits Warmolt Went) によって示唆され、ケーグルらによって構造がインドール-3-酢酸であると決定された。最初に発見された植物ホルモンである。 == 生理作用 == ;植物の成長の促進(及び抑制) :微量でも植物細胞の伸長を促進する作用がある。その結果として植物全体が伸長する。ひとつの仮説として、オーキシンによって植物細胞の細胞壁の主成分であるセルロースの分解が促されて伸展性が増し、細胞が伸長しやすくなるのではないかと考えられている。 :この成長促進作用は、オーキシンが最適な濃度でないと働かない。濃度が低すぎると目に見える作用が表れないし、高すぎると逆に成長を抑制してしまう。 :最適な濃度は植物の器官によって異なり、おおまかに言うと根<芽<茎である。茎で最適な濃度になっている時は、根では濃度が高すぎて成長が抑制されてしまう。しかし、植物はこの成長抑制作用さえも逆に利用している(後述)。 ;細胞分裂の促進 ;発根の促進 :上記の細胞伸長を促進する作用、及び細胞分裂を促進する作用による。 :比較的高濃度のオーキシンを茎の切り口に与えると、その部分の細胞分裂が促進され、不定根が形成される。 ;側芽の成長の抑制(頂芽優勢) :上記の最適濃度の違いによる。詳しくは頂芽優勢の項を参照のこと。 ;落葉・落果の抑制 :離層の形成を抑制することで、落葉・落果を防ぐ。 ;子房(及び果実)の成長・成熟の促進 :花粉はオーキシンを含み、受粉後に子房を成長させる。種子が形成された後は、種子内で合成されるオーキシンにより子房(果実)が肥大成長する。 :人為的に子房にオーキシンを与えることで、受粉・胚発生なしに果実を作らせることができる(単為結実)。 ;芋の発芽の抑制 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「オーキシン」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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