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オーディオハイデンシティディスク : ウィキペディア日本語版
VHD

VHD(''Video High Density Disc''、ブイエイチディー)は、1980年代に日本ビクター(現・JVCケンウッド)が開発したビデオディスク規格である。

== 製品概要 ==
日本ビクターが自社のレコード事業の延長として、1974年からビデオディスク開発の研究所を発足させ〔神尾 (1985)、pp. 48-49〕、1978年9月に発表〔山川 (1986)、p. 31〕。映像の水平解像度は240本程度とVHSベータと同程度だが、相反する解像度とS/N比のバランスが良く、高画質で両面最大2時間の収録が可能。記録方式はCAV、色信号低域変換方式採用、ディスクの回転数は900 rpm、ディスクの直径は26 cm。
音声はアナログFMオーディオが基本で、後にDigitalAudio規格もオプションで追加された。
溝なし静電容量方式で、接触式のセンサーを用いてディスク表面の信号を読み出す。信号記録面がアナログレコード同様露出している構造上、傷やホコリ対策のためのキャディー(ジャケット)にディスクが封入され、直接触れることはできない〔山川 (1986)、p. 105〕。
再生するときは、ディスクをキャディーごとプレイヤー本体に差し込むと、中のディスクだけがロードされ、キャディーは排出される。取り出し時には、キャディーを差し込むとディスクがキャディー内に戻される〔山川 (1986)、pp. 63-64〕。キャディーの裏面にはサイド確認窓があり、白線が見えればB面、見えなければA面である。片面ディスクでB面を上にして入れると回転せずに即座に取り出しモードになる。ディスクはキャディーに収納されているため、DVDLD等で生ずる傷、指紋、ホコリに煩わされることもなく取り扱いは簡便だった。
ディスクの生産についても1回のプレスで両面が出来上がり、レーザーディスクのような貼り合わせが不要で製造コストが安いとされていた〔。
ディスクとセンサーが接触し信号を拾っている関係上摩耗は生じるが、一時間以上に亘る静止画再生等通常考えられない方法を取らない限り、一般家庭での視聴環境ではほぼ無視できるレベルであるとされた。日本ビクターは、業務用に使われているカラオケでも1,000回の再生、2年は大丈夫なので実用上の問題はないとした〔岩淵 (1988)、p. 200〕。ただしカラオケでは同じディスクをかなりの回数再生する都合上、稀に摩耗による障害が生じた。さらにVHDpc INTER ACTIONとしてパソコンのデータディスクとして使用した場合は、無視できない問題となった。
同じ接触式の針を用いたビデオディスクとして、ドイツのテルデックデッカテレフンケンが開発したTED、アメリカのRCAが開発したCED(商品名はSELECTA VISION)、松下電器産業が開発したVISC(未発売)もある。これらはレコード同様に溝があり、VHDとの互換性はない。
なお、LD同様、ソフトのレンタルは全面禁止だった〔岩淵 (1988)、pp. 72, 85-86〕。
当時はビデオがある程度普及し、次は絵の出るレコードとしてビデオディスクが待望されていた。その中にあってVHDはアナログレコードの生産設備を利用できる点からも普及が有力視されたが、DVD以前は他の規格も含めてVHSの牙城を崩すほどの商品が登場しなかった。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「VHD」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Video High Density 」があります。



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