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カコとニセ探偵 : ウィキペディア日本語版
カコとニセ探偵[かことにせたんてい]

カコとニセ探偵』(カコとニセたんてい、''Kako & Fake Detective'')は、光永康則による日本漫画作品。『週刊ヤングジャンプ』(集英社2014年27号に読み切り漫画がセンターカラー掲載され、2015年2号から同年43号まで連載された。光永にとって『週刊ヤングジャンプ』掲載が初となる作品であり、また週刊連載も自身初となる。死者の霊が見える高校生探偵が自分に憑依している霊と協力し、怨霊の引き起こす不可思議な事件を解決していく。ミステリー漫画にホラー要素を付与した「異端ミステリー〔」。
== あらすじ ==
カコとサトルの出会い
高校生・六波羅覚(サトル)は、幼少より死者のを見ることができた。殺人事件の被害者の霊から事件の真相を示唆されることで、天才少年探偵の名声を欲しいままにしてきた。小学生にして、捜査の報酬で豪邸も建てた。だがその結果、犯罪者、地下組織から生命を狙われたばかりか、警察と暴力団の癒着を暴いたことで警察や公安からもマークされることとなった。犯人やその関係者からも訴訟を起こされるなどトラブルが相次ぎ、表舞台から姿を消した。身の危険を感じた家族は自宅から出て行き、荒れ果てた豪邸にたった一人で住んでいる。進学校である練北高校の二年になった今では、表面には出ず、ひそかに警察の捜査を手伝う「元天才少年探偵」である。学校では「ぼっち」(孤独)で、他人の秘密を嗅ぎまわる得体の知れない人間と嫌われている。
だが事件の真相を暴く名探偵ぶりは今も健在だ。今日も主婦が殺害された「密室殺人事件」をまたたくまに解決したサトルに、捜査一課の女性刑事、沢角 泉(さわずみ いずみ)が声をかけてきた。それは私立笹由里女学園で10年前に起きた奇怪な出来事の捜査の依頼だった。「花子さんを見た」と言い残し、8人の女子生徒が立て続けに死んだというにわかには信じがたい事件だった。実は最近になって、学園に通う泉の妹のみさきが、10年前と同様、「花子さんを見た」と泉にメールをした後、意識不明の状態になっていた。
夜の学園に乗り込んで捜査を進めるサトルの前に現れたのは、長い間、三階の女子トイレに封印されていた化子こと、カコと名乗る下世話な地縛霊だった。カコは、サトルを依代として憑依することで地縛霊の身から解放された。そしてサトルは、女子生徒を死に追いやった「花子さん」という怨霊を初めて目の当たりにする。カコはそれら怨霊と呼ばれる存在を浄化して退治する力を持っていた。「花子さん」はカコによって浄化され、みさきも意識が戻った。怨霊が人間に干渉し様々な事件を起こしている事実を知ったサトルは、自分にしか解決できない事件を解決するため、怨霊を退治できるカコと協力関係を結び、「魔のカーブ事件」「連続不可能溺死事件」「古溝邸殺人事件」など、怨霊が関係している事件を次々と解決していく。(単行本第1巻第5話まで)
笹由里女学園篇
サトルはカコに憑依されたことで、カコの記憶も共有することとなった。サトルはカコの記憶を通じ、カコが私立笹由里女学園の女子トイレに封印された経緯を知った。それは40年前のことだった。もともとカコは遠丘神社の鎮守神だったが、神社が取り壊され私立笹由里女学園が設立されてからは、行き場を失い学校を浮遊していた。そんな時、霊を見ることのできる中等部二年の芦原 縁(あしはら えにし)に出会った。縁の申し出で、彼女はカコの依代となり心を通わせていた。ところがこの学園で女子生徒の連続失踪事件が起き、正義感の強い縁は真相を探ろうとして女子トイレで殺害された。正体不明の殺害犯はカコを見つけることが目的だったと語り、カコを女子トイレに封印した。
サトルは女子生徒の失踪事件の謎を解き、カコを封印した犯人を白日の下にさらそうと決意する。泉の友人で私立笹由里女学園の学園長を務める菱崎梓(ひしざきあずさ)は、サトルに対し特待生として女学園に転校して事件の謎を捜査するよう勧める。転校したサトルは梓の肝いりで探偵部を設立。泉の妹のみさき、暴走族だった兄、弥島吟醸(やじまぎんじょう)の霊に加護されている弥島銀杏(やじまぎんなん)と出会い、彼らの協力も得て各方面より依頼される事件を解決することになる。(単行本第2巻、第16話まで)
死を呼ぶ「ノート」篇
サトルが部長、みさきが副部長、銀杏が押しかけ部員の探偵部に泉が二人の女性を伴って現れた。国家安全保障局の捜査員、庫裡林九十九(くりばやしつくも)と警視庁特務課の富良野警部(ふらのけいぶ)だった。庫裡林は不思議な「ノート」の存在を説明し、サトルに捜査を依頼してきた。その「ノート」に名前を書くと、書かれた人間は必ず死ぬ。この「ノート」を持って回っている謎の人物がいる。「ノート」に名前を書く条件は莫大な報酬。「ノート」に名前を書かれて死亡した人間の関係者が復讐のために書いた人間の名前を書き、果てしない死の連鎖が続き、国家を揺るがす事態となっていた。サトルは「ノート」には何の力もなく、謎の人物の背後に潜む怨霊が名前を書かれた人間を殺害していると見抜く。一方、みさきは、無意識のうちに霊に導かれて幽体離脱を繰り返すようになっていた。サトルはみさきの幽体の協力も得て、これまでにない強大な怨霊に立ち向かう。その一方、学園では、更衣室より女生徒の下着が次々と盗まれる事件が起きていた。サトルの過去が知られ始め、サトルに疑いの目が・・・(単行本第3巻、第23話まで)
記憶の中の捜査篇
学園内で起きた更衣室から女生徒の下着が盗まれた事件はサトルによって解決するが、一方で再び国家を揺るがす新たな事件が発生していた。再び庫裡林がサトルに捜査を依頼してきた。豪華汽船「弥生」が沈没し、I国の国会議員が行方不明になった。身元不明の重傷者X氏のスマホには、国会議員が殺害されている画像が残されていた。実は汽船の沈没はI国政府と敵対するテロ組織の仕業だった。彼らは政治犯を解放しなければ新たなテロを起こすと日本政府に挑戦してきた。手がかりは意識不明のX氏のみ。サトルはカコの協力を得て、X氏の記憶に入り込み、真相を暴こうとする。事件の陰にはテロ組織が利用する怨霊の存在があった。(単行本第4巻予定。第28話まで)
カコ封印の秘密
サトルの活躍で、国家レベルの大事件は解決したのもつかの間、学園で新たな事件が発生した。二年の武藤入鹿(むとういるか)と竹本雪菜(たけもとゆきな)の二人は、忘れ物を取りに夜の学園に侵入したが、女生徒の霊に呼び止められ、雪菜は霊に吸い寄せられるように姿を消していた。入鹿から雪菜を探して欲しいと依頼をうけたサトルは、銀杏と共に夜の学園に潜入する。幽体離脱したみさきの幽体を通じて、学園の一角にある防空壕の跡地に失踪した七人の女生徒の白骨死体を発見する。そのそばには意識不明の雪菜もいた。こっそりサトルについて来た入鹿も防空壕に潜む謎の怨霊に取り込まれそうになり、カコの力でも怨霊を浄化することはできなかった。サトル、銀杏は謎の怨霊の記憶が作り出した過去の世界に迷い込み、そこで狂気の殺人鬼や学園長そっくりの若い女性、少女、そして巨大な顔の怨霊に出会う。サトルは不思議な光景に翻弄されながら、ついにカコが封印された真相を解明する。これまでこの地域で残虐な殺人事件が相次いでいたのも、怨霊の敵であるカコを封印し道祖神を破壊し、自らの権力の強大化を図る邪悪な野望によるものだった。カコとサトルの最後の戦いが始まる。
(単行本第4巻、第37話最終回まで)
 

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「カコとニセ探偵」の詳細全文を読む



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