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カティマ・ムリロ : ウィキペディア日本語版
カティマ・ムリロ

カティマ・ムリロ(、ロジ語: quenches the fire、近くのザンベジ川の急流に由来)は、ナミビア北東端のカプリビ回廊に位置する町で、ザンベジ州(旧:カプリビ州)の州都。カティマ・ムリロ地方部とカティマ・ムリロ都市部の2つの選挙区からなる。略してカティマとだけ呼ばれることもある。人口は2001年で2万2134人だが、2010年には2万8100人まで増加していると推定される。ザンベジ河岸の国道B8号沿いにあり、熱帯の鳥類やサルの棲む青々とした植生が広がる。年間降水量は平均654mm。
最も近いナミビア領の町は、500km離れたルンドゥである。およそ40km東のブカロ村で、ボツワナへの道とンゴマへの道が分岐する。
== 歴史 ==
1935年1月28日、カプリビ回廊の行政の中心がシュックマンスブルフからカティマ・ムリロに移された。この日がカティマ・ムリロの設置日とされる。現在の南西アフリカ人民機構 (SWAPO) 地域支部近くのバオバブの巨木の下に、地域事務所が建てられた。これは手付かずの森林が広がっていた当時のカティマ・ムリロにおいて、唯一の煉瓦モルタル造りの建物であった。この木はくりぬいて便所にされたため、現在は「トイレの木」として知られている。
当時、カティマ・ムリロの人口は非常にまばらであった。セブンスデー・アドベンチスト教会の運営する布教学校があり、小さな集落がそりの轍でのみ連絡していた。なにかしらの道路やインフラがなければ、ここからカプリビ回廊を統治することは難しかった。そのため、南アフリカ政庁は地域事務所の再移転を決定し、1939年にプレトリアへ移された。第二次世界大戦が勃発すると、主要な交通路、特にビクトリアの滝の鉄橋に近いカティマ・ムリロの位置は戦略的に重要となった。すべての兵站、人員、物資が流入されなければならなかった。1940年に現れた町で初めての自動車は、滑走路の管理者が所有していた〔。
1940年、ウィリアム・ビル・フィノーティがカティマ・ムリロで初めて店を開いた。この店の周囲の集落はのちに、彼にちなんだ名前となった。1950年代にはザンベジ川の交通が確立され、鉄道が通じるリビングストンまで行けるようになった。ムパチャ飛行場(現在のカティマ・ムリロ空港)は1965年に、6500万ランドという巨費を投じて造成された(当時の2ランドはおおむね1スターリング・ポンドに相当)。警察署は1961年にできた。
ンウェーゼ黒人居住区の建設がはじまった1965年、カティマ・ムリロは隔離都市に指定された。マフロの非公式入植地にはカプリビアフリカ国民連合 (CANU) のメンバーが留まり、政治活動を指揮したため、南アフリカ政庁は不満であった。ンウェーゼ(直訳すると「私を刺せ」の意)居住区は、地元の労働者とその家族にのみ地区内への居住を認めることで、黒人に対するある程度の監督を可能とするために設置された。同時に、カティマ・ムリロの中心部は「カティマ・ムリロ・プロパー居住区」とされ、白人のみに居住が制限された。ンウェーゼを建設した南ローデシア(現在のジンバブエ)のソールズベリ(現在のハラレ)のルイス建設の契約社員が野営した場所は、これにちなみルイス非公式入植地と名付けられた。当時、町には575人しか住んでいなかったが、1978年までに5000人を超えた〔。
1971年、カティマ・ムリロ一帯の地域は南アフリカ国境戦争に巻き込まれた。第二次大戦中のように戦略的な位置にあるこの地域は、この時はザンビアやアンゴラに軍隊を輸送するうえで重要であった。
1990年代に入ると、カプリビ回廊の分離を目指す反政府勢力のカプリビ解放軍 (CLA) とナミビア政府との間の武力衝突であるカプリビ紛争の中心地となった。1999年8月2日にはCLAが攻勢を仕掛け、国営ラジオ局を占拠し、警察署やワネラ国境駐屯地、陸軍基地を攻撃した。州内に非常事態宣言が出され、CLAの支持者と疑われた人々が逮捕された。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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