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カラカラ帝 : ウィキペディア日本語版
カラカラ

ルキウス・セプティミウス・バッシアヌスラテン語Lucius Septimius Bassianus〔Born ''Lucius Septimius Bassianus'' and later called ''Marcus Aurelius Antoninus'' and ''Marcus Aurelius Severus Antoninus''.〕、188年4月4日 - 217年4月8日)は、ローマ帝国皇帝で、セウェルス朝の君主としては第2代当主となる。本名よりもカラカラ(Caracalla)という渾名で呼ばれる場合が多く、歴史学者達もこのように呼称している〔"Caracalla" ''The New Zealand Oxford Dictionary''. Tony Deverson. Oxford University Press 2004. Oxford Reference Online. Oxford University Press.〕。
セウェルス朝の初代君主セプティミウス・セウェルスの長男であり、ローマ史上に残る暴君の一人として記憶される〔"Caracalla" ''World Encyclopedia''. Philip's, 2005. Oxford Reference Online. Oxford University Press.〕。一方で全属州民にローマ帝国の国民としての権利と義務(市民権)を与えるアントニヌス勅令を決定し、結果的にローマ領内における民族・人種による出自差別を撤廃したことで知られる。他に銀貨の改鋳(銀の含有量を減らした)、大浴場(カラカラ浴場)の建設などを肯定的に評価する歴史家も存在する。
ただし勅令の目的は歴史家カッシウス・ディオによれば税収拡大が目的ではないかと考えられており、また利点以外に様々な影響を帝国にもたらしている。
==生い立ち==
ルキウス・セプティミウス・バッシアヌスは、ガリアのルグドゥヌムで元老院議員ルキウス・セプティミウス・セウェルスとその後妻である巫女ユリア・ドムナの長男として生まれた。彼はラテン人フェニキア人混血であり(風貌にもそれが強く現れている)〔Marcel Le Glay. ''Rome : T2, Grandeur et chute de l'Empire'' p336. Librairie Académique Perrin, 2005. ISBN 978-2262018986〕〔Gilbert Meynier. ''L’Algérie des origines :De la préhistoire à l’avènement de l’Islam'' p74. La découverte, 2007. ISBN 978-2707150882〕、母方を通じて属州シリアなどオリエント圏にも出自を持っていた〔 Irfan Shahid, ''Rome and The Arabs: A Prolegomenon to the Study of Byzantium and the Arabs'', Washington, 1984, Dumbarton Oaks Research Library, p. 167, ISBN 0884021157〕〔Glen Warren Bowersock, ''Roman Arabia'', Cambridge, Harvard University Press, 1983, pp. 126–128, ISBN 0674777565 . "with the last of his names, he clearly tried to forge a link with the ultimate Antonines, who were the Arab emperors from the family of Julia Domna"〕〔Maxime Rodinson, ''The Arabs'', Chicago, University of Chicago Press, pp. 55, ISBN 0226723569, , "The emperor Septimus Severus married an Arab from Emessa, Julia Domna, whose sons and great-nephews ruled Rome."〕。
父が内乱を制して皇帝に即位すると、政治的駆け引きの一環としてかつて先代王朝を形成していたアウレリウス氏族との関連を持たせるためにマルクス・アウレリウス・アントニヌス・カエサル(''Marcus Aurelius Antoninus Caesar'')に改名したが、殆どの人間は彼をカラカラという渾名で呼んだ。カラカラとはガリア地方独特のフード付きチュニックのことで、彼が幼少期から好んで着ていた服装だった。209年、父から弟ゲタと共に共同皇帝としての指名を受けているが、実質的な権限はまだ持たなかった。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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