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カルシウム・パラドックス : ウィキペディア日本語版 | カルシウム・パラドックス カルシウム・パラドックス(calcium paradox)とは、元々は1967年にZimmermanらが心筋を潅流(かんりゅう)する実験において、カルシウム欠乏溶液で処理した後にカルシウムを含む溶液に移し変えると、心筋細胞中にカルシウムが流入し心筋が損傷・壊死する不思議な現象に対して名づけた用語である〔et al. The calcium paradox revisited: An artifact of great heuristic value. Cardiovascular Research, 45, 123-127 (2000). 〕。その後、カルシウム摂取をめぐる逆説的ないくつかの現象(パラドックス)に対して使われている。定義が定まっていないが学術雑誌や専門書等にもしばしば引用される。 ==概要==
=== カルシウム摂取不足とカルシウム・パラドックス === カルシウム摂取が不足すると血管等の軟部組織にカルシウムが逆に増え、動脈硬化、糖尿病、高血圧など様々な疾病が起こる現象をカルシウム・パラドックスと呼ぶもの〔Fujita T. Calcium paradox: consequences of calcium deficiency manifested by a wide variety of diseases. J.Bone Miner Metab. 2000;18(4):234-6. 〕。カルシウム摂取不足により血中カルシウム濃度が低下すると、副甲状腺ホルモンの働きにより骨からカルシウムが溶出し血液中に流入する。このカルシウムが血管へ沈着(動脈石灰化)し動脈硬化を引き起こすと考えられる。骨粗鬆症患者では動脈石灰化症による冠状動脈疾患・心臓病が多くみられることはよく知られており、calcification paradox(石灰化パラドックス)とも呼ばれる〔Persy V et al. Vascular calcification and bone disease: the calcification paradox. Trends Mol Med. 2009 Sep;15(9):405-16. 〕。
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