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カルディオドン : ウィキペディア日本語版
カルディオドン

カルディオドン(''Cardiodon'' "ハートの歯"の意味(歯の形にちなんで))は竜脚類の属であり、イングランドウィルトシャーのフォレストマーブル累層(en)のジュラ紀中期バーレム期の地層から発見された歯に基づいている。歴史的にはとてもあいまいな属であり、しばしばケティオサウルスであるとされることもあったが、最近の研究では独自の属であり、トゥリアサウルスに近縁である可能性があるとされている。
==研究史と分類==
リチャード・オーウェンブラッドフォード・オン・エイボン近郊で発見した一つの歯(現在は失われてしまっている)に対して命名したが、その時点では種小名を命名せず〔Owen, R. (1841). Odontography, Part II. ''Hippolyte Baillière.'' 655 p.〕、数年後に種小名を命名した〔Owen, R. (1844). Odontography, Part III. ''Hippolyte Baillière.'' 655 p.〕。 数十年内に、オーウェンは考えを変え、この属名が自身が命名し、よく知られた竜脚類の属であるケティオサウルスのシノニムの可能性があると考えるようになった〔Phillips, J. (1871). ''Geology of Oxford and the Valley of the Thames''. Clarendon Press:Oxford, 529 p.〕〔Owen, R. (1875). Monographs of the fossil Reptilia of the Mesozoic formations (part III) (genera ''Bothriospondylus'', ''Cetiosaurus'', ''Omosaurus''). Palaeontographical Society Monographs 29:15-93.〕。1890年、リチャード・ライデッカーen)はこの考えを間接的な方法で公式化した。オックスフォードシャーで発見された歯に基づくカルディオドンと''Cetiosaurus oxoniensis''の骨格を関連付けてこれを''C. oxoniensis''のものとした〔Lydekker, R. (1890). Suborder Sauropoda. In: Lydekker, R. (ed.). ''Catalogue of the Fossil Reptile and Amphibia of the British Museum (Natural History).'' Part 1. Taylor and Francis:London, p. 131-152.〕。さらにグロスタシャー、サイレンセスター近郊のグレートオーライトen)で発見された第2の歯の化石(BMNH R1527)をこれに加えた〔。さらに一般的にカルディオドンはケティオサウルス属とみなされるようになるが、種としては分離されることもあった〔Steel, R. (1970). Part 14. Saurischia. ''Handbuch der Paläoherpetologie/Encyclopedia of Paleoherpetology''. Part 14. Gustav Fischer Verlag:Stuttgart, p. 1-87.〕。
2003年、ポール・アップチャーチおよびジョン・マーティンはケティオサウルスを見直し、''C. oxoniensis''の歯と骨格を同じ種とする証拠はほとんどなく、"''C. oxoniensis''"の歯とカルディオドンの歯は異なっている(カルディオドンの歯は舌に面する側に凸である)ことを発見た。つまりカルディオドンが独自の属であることを支持した〔Upchurch, P.M., and Martin, J. (2003). The anatomy and taxonomy of ''Cetiosaurus'' (Saurischia, Sauropoda) from the Middle Jurassic of England. ''Journal of Vertebrate Paleontology'' 23(1):208-231.〕。Upchurch ''et al.'' (2004)ではこの評価を改めて主張し、さらに固有派生形質は見つからなかったものの、これらは真竜脚類であるとした〔Upchurch, P.M., Barrett, P.M., and Dodson, P. (2004). Sauropoda. In: Weishampel, D.B., Dodson, P., and Osmólska, H. (eds.). ''The Dinosauria'' (2nd edition). University of California Press:Berkeley, p. 259-322. ISBN 0-520-24209-2〕 。さらに近年、Royo-Torres ''et al.'' (2006)でのトゥリアサウルスの記載において、カルディオドンがこの大型竜脚類と近縁である可能性が指摘された〔Royo-Torres, R., Cobos, A., and Alcalá, L. (2006). A giant European dinosaur and a new sauropod clade. ''Science'' 314:1925-1927.〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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