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カルボン酸塩化物(カルボンさんえんかぶつ、carboxylic acid chloride)は、R-C(=O)-Cl と表される構造を持つカルボン酸の誘導体のこと。カルボン酸ハロゲン化物、酸塩化物(アシルクロライド(acyl chloride))の一種。一般に、母体のカルボン酸よりも反応性が高まっており求電子剤としての性質を示す。 == 反応 == カルボニル炭素に結合する塩素の存在によりその求電子性が大きく向上するため、反応性がカルボン酸に比べて格段に大きい。また、塩化物イオンは脱離しやすく容易に求核剤と入れ替わる。そのためカルボン酸塩化物はエステル、アミド、カルボン酸無水物を合成するための基質として頻繁に用いられる。また、水とも反応し、加水分解してカルボン酸を与える。それらのほとんどの反応ではカルボン酸塩化物由来の塩素と求核剤由来の水素とでHCl(塩化水素または塩酸)を形成する。 :(例) R-COCl + HO-H → R-COOH + HCl カルボン酸塩化物は空気中の水蒸気とも反応してしまうため無水条件で取り扱わなくてはならない。 グリニャール試薬(有機マグネシウム化合物)と反応させると、ケトンを経由して三級アルコールまで反応が進むが、有機銅化合物(特にギルマン試薬)もしくは有機カドミウム化合物を用いるとケトンで反応を止めることができる。 ほか、フリーデル・クラフツのアシル化反応やローゼムント還元、アーント・アイシュタート合成など、カルボン酸ハロゲン化物に一般的な反応の基質となる。 一般に、芳香族カルボン酸塩化物は脂肪族のカルボン酸塩化物より反応性が乏しいため、より厳しい条件で反応させる必要がある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「カルボン酸塩化物」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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