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カーニング()とは、主に欧文の組版において、プロポーショナルフォントの文字同士の間隔(アキ)を調整する技法のこと。カーニングを行わない場合は文字の間に不自然な空白を招いてしまう一方、適切にカーニングが施されたフォントでは字面間の空白の面積はほぼ均等になる。 DTPが普及した現在は組版ソフト上で行われることが多いが、以前は活字に特殊な処理を行うか、切り貼りによる文字詰め(もじつめ)と読ばれる作業が必要であった。現在ではこの語や詰め文字(つめもじ)という語をカーニングの訳語として用いることもあるが、カーニングと文字詰めを厳密に区別することもある。英語では、活字を加工する工程の呼び名から派生して と呼ばれることもある(原義:くり抜くこと、ほぞ穴を開けること)。 == 概要 == 文字の形状に合わせて個別に文字間の距離を微調整するタイポグラフィ手法であり、審美的側面と印刷物の読みやすさという実利的側面を併せ持つ〔。見出しなどの大きな文字では一層重要性が高まる。日本語や中国語など各文字がほぼ正方形の枠に収まる言語の本文では用いられることは少ないが、見出しなどで大きめの文字を用いる場合は詰め組みが行われることがある。活字を用いて印刷する場合は活字に特殊な加工が必要となるため労力と費用を要する作業であるが、写真植字やDTPでは格段に容易になった。 一般に日本では、詰め組みやカーニングを行っていない状態をベタ組みと呼ぶ〔JIS X 4051:2004 日本語文書の組版方法〕。カーニングは文字の組み合わせの形状にあわせてその都度異なる間隔を設定するものであり、一律に間隔を変える「トラッキング」や「字送り」とは区別される。 カーニングやトラッキングの強弱はタイト()・ルーズ()と表現される。タイトな詰め方の極限は字形同士が接触するタッチング()と呼ばれる状況であり、これが文字詰めの限界である。本文に用いるには詰め過ぎであるものの、見出しやロゴタイプなどで印象的なタッチングの用法に遭遇することは少なくない。 カーニングには多少のデメリットもある。人間にとっての読みやすさを向上させる一方で、光学文字認識ソフトウェアにとっては文字の境界が判別しづらくなり、認識精度の低下につながる。特にタイトな組み方ではエラー率が10%を超えると報告されたこともある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「カーニング」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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