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カーネル : ウィキペディア日本語版
カーネル

カーネル()は、階層型に設計されたオペレーティングシステム (OS) の中核となる部分である。アプリケーションとハードウェアレベルでの実際のデータ処理との間の架け橋である。システムのリソースを管理し、ハードウェアソフトウェアコンポーネントのやりとりを管理する。
オペレーティングシステムの基本コンポーネントとして、カーネルはメモリCPU入出力を中心としたハードウェアを抽象化し、ハードウェアとソフトウェアがやり取りできるようにする。また、ユーザープログラムのための機能として、プロセスの抽象化、プロセス間通信システムコールなどを提供する。
これらのタスクはカーネルによって方式が異なり、設計も実装も異なる。モノリシックカーネルは全てを一つの仮想アドレス空間に格納されたコードで実行して性能を向上させようとする。マイクロカーネルはサービスの大部分をユーザー空間で実行し、コードの保守性とモジュール性を向上させようとする〔An overview of Monolithic and Micro Kernels , by K.J.〕。多くのカーネルはこの二つのカテゴリのいずれか、あるいは中間である。
== 概要 ==
全てではないが、多くのオペレーティングシステム (OS) はカーネルを内包する。ハードウェアソフトウェアの間の通信を管理するソフトウェアとしてのカーネルは、性能、メモリ効率、セキュリティ、プロセッサのアーキテクチャなどが複雑に絡んだ問題への妥協的解答である。
多くの場合、ブートローダーがカーネルを特権モードのプロセスとして起動する〔最上位の特権レベルは、スーパーバイザーモード、カーネルモード、CPL0、リング0など様々な呼称がある。〕。しかし、初期化が完了すると、カーネルはいわゆるプロセスとしては存在せず、ディスクアクセスなどの高い特権レベルを必要とする処理を必要としたときにユーザプログラムから呼び出される機能の集合体として存在することになる。カーネルの処理の流れはユーザープロセスの処理の流れの延長上にあり、システムコールによってカーネルに処理が渡り、終了するとユーザーに戻っていく。初期化時のコンテキストはそのまま消えるようにする設計もあるが、「アイドルプロセス」とか「collects」と呼ばれる、プロセッサが何もすることがない時に実行されるコードに流用される設計とすることもある。省電力のため、プロセッサが「休む」ような命令を繰り返すようなコードとすることも多い。
カーネル開発はプログラミングの中でも複雑で難しいタスクのひとつと考えられる。オペレーティングシステムの中核部であるということは、高い性能を要求される最重要なソフトウェアであり、正しく設計し実装することは難しい。カーネルはユーザプログラムの互換性や移植性を考慮する必要などから、設計が制限されることもあり、そのことがさらに開発を難しくしている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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