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発散定理(はっさんていり、divergence theorem)は、ベクトル場の発散を、その場によって定義される流れの面積分に結び付けるものである。ガウスの定理とも呼ばれる。1762年にラグランジュによって発見され、その後ガウス(1813年)、グリーン(1825年)、オストログラツキー(1831年)によってそれぞれ独立に再発見された〔 C. F. Gauss, Allgemeine Lehrsätze in Beziehung auf die im verkehrten Verhältnisse des Quadrats der Entfernung wirkenden Anziehungs- und Abstossungs-kräfte , ''Res. Beob. magn. Vereins'' 4, 1, 1840〕 〔オストログラツキーは発散定理を1828年にパリで口頭報告しているものの、その内容は公刊されず、1831年のサンクトペテルブルクでの学会報告のみが残されている。 M. Ostorgradsky, Note sur la théorie de la chaleur, ''Mém. Acad Sci. St.-Pétersb''. 1, 129, 1831; Deuxième note sur la théorie de la chaleur, ''ibid''. 1, 123,1831〕。オストログラツキーはまたこの定理に最初の証明を与えた人物でもある。 ==定理の内容== 数式を用いて述べると次のようになる。まず、R3 で定義された滑らかなベクトル場 に対して ''F'' の発散 div ''F'' を : と定義する。発散は∇(ナブラ;nabla)を用いると, : と表され,ベクトルの内積(ドット積)となる. ''V'' を R3 において滑らか(ここでは ''C''1 級でよい)な境界 ∂''V'' をもつ有界な領域(= 連結開集合)とし、''F'' を ''V'' の閉包で定義されている滑らかなベクトル場とすると、 : が成り立つ。ここで、''n'' は ''V'' の外向き単位法ベクトルとする。なお、定理が成り立つためには ∂''V'' が区分的に ''C''1 級であれば十分である。 この定理は div という演算が発散(あるいは''湧出量'')と呼ばれる所以でもある。右辺は領域 ''V'' から流れ出す量であり、それが全ての発散を合わせたものに等しくなっている。 この定理は、一般的なストークスの定理から導くことができる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「発散定理」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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