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ガラス固化体(ガラスこかたい、vitrified radioactive waste、radwaste)とは、高レベル放射性廃棄物をガラスとともに融解し、ステンレス製のキャニスター(容器)へ注入・固化させたものである。核燃料サイクルの最終工程である地層処分の為の最終梱包・処理形態であり、高レベル放射性廃棄物に対するこれ以降の加工処理はない。 == 概要 == 日本のように使用済み核燃料を再処理する方針をとる国では、再処理工場における工程で高レベルの放射性廃液がでる(アメリカのように使用済み核燃料の再処理をせず直接処分をする国の場合は、使用済み核燃料がそのまま高レベル放射性廃棄物となる)。 再処理工場では、この廃液を濃縮し、ガラス成分と混ぜ、溶かしたものをステンレス製キャニスターに注入し固化させる。製造(冷却固化)後のステンレス製キャニスターに入ったガラス固化体は、致死レベルの放射能を持っており、高熱を発している。 ステンレス製キャニスターは一時冷却貯蔵期間(30-50年間)の腐食などを考慮して、ドラム缶の板厚の数倍の肉厚5-6mmとなっている〔汎用のドラム缶は板厚1mm-1.6mmである。「ドラム缶のJIS改正内容」 〕。 日本原燃の六ヶ所再処理工場および海外の再処理工場から返還されるものは直径43cm、高さ134cm、総重量約500kg(正味重量400kg)、容量170リットルでドラム缶(200リットル)より細長く容量は少し小さい。日本原子力研究開発機構(東海村)のものは原燃のものより小さく総重量約400kgである〔資源エネルギー庁 「高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)とは」 閲覧2011-11-25〕。 以下、特に明記がない場合はガラス固化体は原燃規格の物を指す。 : 参考までに、後述する「オーバーパック」と呼ばれるガラス固化体の収納容器は直径約80cm、高さ約170cm、壁厚約19cm、重さ約6トンの金属容器である。材料には炭素鋼、チタン、銅が検討されている。 このオーバーパックにより1,000年間の放射性物質の密封が可能と目されている〔地層処分実規模試験施設 「人口バリアとは」 閲覧2011-10-21〕。 1本のガラス固化体に含まれる高レベル放射性廃棄物は、1%品位のウラン鉱石約600トン(ウラン6トン)から作られた核燃料(濃縮ウラン0.8-1.4トン)からの廃棄物に相当する〔。 2013年5月27日、日本原燃はガラス固化試験を終了したと発表〔読売新聞2013年5月28日13版37面〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ガラス固化体」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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